今年は何に関しても特別感が否めません。
”あるべきもの”がない、そして普段なら”ないもの”がある。
不思議な時間を過ごしているような気がします。

拙庭に木槿も咲きました。宗旦木槿です。

”ないもの”を残念だと嘆くことは簡単です。
ですが誰もがその人生を、同じ長さの時間しか過ごせないのなら、異体験として受け止めても良いのかもしれないですよね。
タイトルの「蘇民将来子孫也」は疫病除けの言葉として護符に記されているのをご覧になられたことがあると思います。
私は蘇民将来の子孫ですのでどうかお守りくださいませ、と素戔嗚尊に祈願するものです。
ちょうど今、洛中で執り行われている祇園祭で授与される粽やいろいろなお品、御菓子に至るまで「蘇民将来子孫也」が添えられています。

笹の葉を縛った先に「蘇民将来子孫也」の護符がくくりつけてあります(末富製)
開けると葛菓子に小豆が数粒。冷たくて喉越しの良い、お稚児さんをそっと見守るような優しいお味です。

もう15年くらい前のことですが、初めて祇園祭に赴いたときの衝撃は忘れられません。
麩屋町の旅館に泊まり、お散歩で寺町通に出た時に偶然拝見することができた花笠巡行に驚きました。
長い長い行列…町の大人や子どもが担ぐ御神輿や、神職のかたがたに続きお馬さんがアーケードを歩いているという光景!それ以来心を奪われ、毎年7月になるとそわそわします。宵々山から出向いたことも何度もあり、伺えない年はBSで放映されるくじ改〜巡行までしかとLIVEで見続けていました。

定番の御菓子にも祇園祭ゆかりの焼印が!(俵屋吉富製)

今年は残念ですが、その光景は見られません。
でも私の中ではしっかり”祇園さんのお祭り”です。

東京でもこんなに素敵な御菓子が♡(一幸庵製)
大好きな調布の御菓子♡安定の美味しさです♡(末富製)
鉾建てを連想させてくれるように可愛く立っています♡白味噌の餡が絶品です(鍵甚良房製)

御菓子をいただき、粽を飾り、床の間は団扇やお扇子で祇園祭の風情+父の記した般若心経の額をお軸の代わりに掛けました。お盆の時期と重なる夏の、厳かな涼しさを感じます。(mi-molletのブロガーミーティングでは、この床の間の前でお目にかかりたいと思っています)

今年も長刀鉾の粽を受けさせていただきました。最初は青々とした色も次第に良い具合に焼けていきます。
父の記した般若心経の半紙(書き損じ)を大事に持っていました。記した当時の父の想い、今は聞くことができないですが、大切にしたいと額装しました。

間もなく梅雨も明けますね。早朝に蝉の声を聞きました。
今年は思いのほか静かな夏になりそうです。それも楽し、と味わってみることにしましょう。

キッチンに立つ時間が長くなっています=もぐもぐのinstagramです(笑)