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ズバリ質問「白髪は黒く戻せるの?」に対する医師の回答

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歳を重ねることは嫌ではないけど、“あの頃”に比べ気になるところも増えてくる。そのひとつが「白髪」。「シワやシミは何とかなるけど、白髪だけはどうにも隠せない」「この前染めたのにもう白髪が生えてきた」「いつかはグレーヘアにしたいけど、今はまだ……」と言う女性たちの声に応え、白髪について今できることから予防&対策をDクリニック東京ウィメンズの院長・浜中聡子先生にお話を伺いました。
先生、ズバリ聞きます。「白髪を黒く戻すことは可能ですか?」

浜中聡子/Dクリニック東京 ウィメンズ 院長・医学博士
日本抗加齢医学会専門医、日本精神神経学会専門医・指導医、NPO法人アンチエイジングネットワーク顧問など。抜け毛・薄毛・白髪・育毛など女性の頭髪に関する悩みから更年期・女性のホルモンの悩みまで幅広い専門分野の治療を行う。


白髪の相談は年々増えている!?

 

40歳前後から気になり始める白髪。最初は数本“見かける程度”だったのに、今は髪の生え際、分け目など白髪の面積が徐々に増え、白・黒の逆転も時間の問題。ホームケアで白髪染めをしているけど、「頭皮や髪へのダメージが心配」「1ヶ月後には白髪が悪目立ちする」などの悩みの声は決して他人事ではないはず。

「髪の悩みでクリニックにいらっしゃる女性も一定数はいます。白髪よりも薄毛治療を希望される女性が多いですね」と話すのは、Dクリニック東京ウィメンズの院長・浜中聡子先生。
「ですがその後、必ずと言っていいほど白髪の話になります。『白髪を止めることはできますか?』『白髪を黒く戻すことは可能ですか?』などの相談は年々増しているような気がしますね」(浜中先生)。

 


白髪を黒く戻せますか?

 

そこで聞きます。ズハリ、「白髪を黒く戻すことは可能ですか?」

「医学の技術の進歩は目覚ましく、私たちも驚きの連続です。昨日できなかったことが今日可能になる、まさに日進月歩。ですが、まだまだ高い壁は立ちはだかっており、そのひとつに『白髪』問題があります。

白髪とは、毛髪が生え変わる時に色素細胞が欠損してしまっていることを示しています。すなわち、生え変わりの時に新しい色素細胞を供給する幹細胞(黒色メラニン)が欠損してしまい、髪に色がない(白い)ことを言います。
黒色メラニンの欠損の原因は加齢と言われていますが、近年では加齢だけでなく、偏った食事や運動不足・睡眠不足など生活習慣の他、ストレスなどによる影響で黒色メラニンの働きを低下させてしまうことがわかってきました。

実は、毛根の奥の奥にある幹細胞にアプローチして白髪を黒くするという治療も無いわけではありません。ですが、この治療は長い期間と費用がかかること。また、6〜7年で毛髪サイクルが変わるため、また一から治療を行わないとならず、現時点では非常に効率の悪い治療なのです」(浜中先生)。


現代女性は白髪になるスピードが早い!?


白髪のメカニズムと関係性が高いと言われている「ストレス」。

「交感神経興奮により分泌されるノルアドレナリンがメラノサイト幹細胞の減少に関わることが明らかになっています。現代女性は常にスイッチの入った状態になっているため、それが頭皮にも影響を及ぼしているのです」(浜中先生)。
もちろんストレスだけでなく、以下の要因も考えられるとか。

●栄養不足

 


過度な食事制限などをするダイエットや偏食は栄養が不足してしまい、白髪になってしまう可能性がある。特にタンパク質の欠如は要注意!

●睡眠不足

 

睡眠不足による血行不良や自律神経系が関与している可能性がある。睡眠中に分泌される成長ホルモンが関与している可能性もある。

●SNSやゲームなどスマホ・パソコンの見過ぎ

 

スマホやパソコンによる眼精疲労が関与している可能性があります。眼精疲労は眼を酷使することで、眼球付近の筋肉が凝り固まり、毛細血管の血流を滞らせることによって疲労物や老廃物が溜まっていきます。すると、頭部の筋肉が凝り固まり、血行不良=頭皮環境を乱す、という負のスパイラルに。

普段、何気なく過ごしている生活習慣、中でも現代人には欠かせないスマホが白髪と関係しているとは驚き!

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