モデルナ、アストラゼネカの報告。ワクチンの有効性と副作用は?

 

これら多数のワクチンのうち、モデルナ、アストラゼネカの初期の臨床試験の結果は論文としてすでに公表されていますが、結果はここまでとても有望なものでした。

 

モデルナの第1相試験では、45人の健常な成人を対象にワクチン接種が行われました。15人ずつに投与量それぞれ25μg(マイクログラム)、100μg、250μgが投与されています(参考1)。

投与の方法はよくあるワクチンと同じで、腕に筋肉注射を行います。このワクチンは2回の注射を必要とし、1回注射ののち、1ヵ月後に再度同じ注射を受けるスケジュールになっています。

2回接種を行った1ヵ月後に血液検査を行ってみると、被験者全員に、ウイルスから体を守ってくれる中和抗体が確認されました。また、その抗体の量を、実際に感染した人と比較すると、多い方から上半数の患者に見られる数の抗体産生がありました。

また、最高用量の250μgを接種した被験者のうち3人では比較的重度の副作用が報告されましたが、100μgの接種では、40%の人に短期間の発熱が見られたものの、重度の全身の副作用は報告されませんでした。これらの結果から、100μgでの臨床試験の続行が決定されました。

アストラゼネカのワクチンでも、同様に論文が公表されています。こちらもモデルナのワクチンと似たような設計ですが、接種は1回のみという違いがあります。

試験結果を報告した論文によれば、ウイルスに対する抗体はワクチン接種後2週間から見られ、4週間後にも高い値で維持されていたということです(参考2)。また、抗体だけではなく、その他の免疫系についても評価されており、いずれも有効性を期待させる結果でした。

主要な副作用もモデルナのワクチンと同様で、注射部位の赤みや痛み、そして発熱が報告されています。他の病原体のワクチンと比較するとやや比率が高い印象はありますが、いずれも予想を超えるものではなかったのではないかと思います。

このように、有効性、安全性ともに現時点までは良い方向に進んでいるのではないかと思います。

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