――今は年齢の差のある恋愛や結婚も多いですが、当時は30歳近くも差がある人との恋はまだ珍しかったですよね?どんなところに惹かれたのでしょうか?

今の私を形成する要素を与えてくれた人です。 
見せてもらった景色、教えてもらった音楽、一緒に食べたもの、身に纏うもの、そのひとつひとつに影響を受けたし、未だに私の細胞にしっかり記憶されている。本当に洗練された人でした。
同じ業界の人だから今もたまに現場で会うこともあるけど、今でも素敵だなと思うし、別れてもそう思えるって最高だなと。もちろん理由があるから別れたわけだし、未練は全くないけど、自分の中で良い恋愛だったと記憶されている恋愛ってあまりないから、これはラッキーなことだなと。

――自分の血となり肉となる恋愛が若くしてできるって、お話を伺うだけでもときめきます(笑)。とはいえともさかさんもまだ若く、彼とのギャップを感じることはなかったですか?

 

私自身は仕事で常に大人に囲まれていることが自然だったから、ものすごく年上だという意識もなかったんですよね。幼い頃から仕事をしていたので、どこか達観している部分が自分の中にあったのかもしれない。彼が見つめている世界を一緒に見ることが面白くて仕方なかった。だって、知らないことを知れるって最高じゃないですか。

去年、ゲッターズ飯田さんに占って頂く機会があったのですが「ともさかさんは生まれた時から精神年齢が60歳。若い頃は実年齢とメンタリティがうまく噛み合わなくてつらかったけど、やっとラクになってきたんじゃないですか?」と言われ、ものすごい腑に落ちたというか、やっと辻褄が合ったような気がしました。

 

――その年上の彼から仕事のアドバイスをもらったりしたことも?

それが同業者の難しいところですよね。
距離が近くなるといろいろと見えてくるから、ついつい口出ししたくなってしまう。でも自分が関わりのない仕事に対して軽々しく口を出すのは危険なことだと、お互いにわかっていた気がします。もちろん同じ現場で仕事をしているときはシェアするけど、基本は相手の領域には立ち入らず、少し離れた場所からリスペクトしているくらいが理想かなと思います。

――未練はないということですが、若い頃ならではの刺激とときめきを今もふと思い出すことってありますか?

 

当時の思い出に引っ張られたりすることは一切ないけど、そこは男女の違いなんでしょうか。女は上書き保存しがちだから(笑)、私は思い出をいそいそ取り出して浸るようなことはしないかな。
場所や香りが引き金となって、ふとした瞬間にフラッシュバックを起こすようなことはあっても、本当に一瞬。自分が若い頃の恋愛って、私にとってはどれも割と美しい記憶になっていて、そこが結婚とは大きく違うところです。その件に関しては、また改めてお話ししますね(笑)。
 

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撮影/若木信吾
スタイリスト/斉藤くみ
ヘアメイク/北一騎
取材・文/細谷美香
構成/片岡千晶(編集部)


 

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ジャーナル スタンダード 銀座店 tel. 03-5524-2200
ブランイリス エストネーション六本木ヒルズ店 tel. 0120-503-971

前回記事「【ともさかりえの恋愛観】大人の恋、男友達と恋人の違いとは?」はこちら>>

 
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