基準価額、分配金を知っておこう

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片岡:また、投資信託を買うときに、基準価額という数字がありますが、これはなんですか?一番目立つように書いてあるのに分からなくて……。

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朝倉:基準価額は、投資信託の値段ともいえる数字です。その投資信託が運用する資産全体から計算されます。

 

まず押さえたいのが、投資信託は「口」という単位で数えて、運用されているお金全体を「純資産総額」と呼びます。投資信託1口あたりの値段は、「純資産総額÷総口数」で計算されます。基準価額として公表されるのは、1万口あたりの値段です。

西山:株の場合は、例えば「株価が高すぎて、今は買い時でない」「値段が低いので、買い時だ」といった判断をすることもありますが、投資信託の基準価額は、それと考え方が異なりますね。

朝倉:はい、そうですね。基準価額があまりに安いものは、分配金(※のちほど説明)を出しすぎて下がっていて、あまりよくない投資信託というケースもあります。逆に2万円、3万円と高いものは、運用がうまくいっている証ともいえますね。

いずれにしても、前回おすすめした投資信託を長期投資で考えて積み立てで買う場合は、昨日と今日の違いなどといった細かい基準価額の動きについては、気にしなくていいですよ。

片岡:それなら安心です(笑)。見ているとだいたいランキングに入っているような投資信託は1万円台のものが多いですが、それだと大丈夫でしょうか?

朝倉:はい、ランキングを見るとしたら、積み立てのランキングなら、よいものが入っていると思います。基準価額が1万円台でも問題ないと思いますよ。
 

長く投資をするなら分配金はない、もしくは少ない方がいい


片岡:分配金は、HPのどこでわかりますか?

朝倉:「分配金情報」で、わかります。この場合は0円とあるので、分配金を出さずに投資に回していることがわかりますね。

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西山:投資初心者の方に「分配金が毎月出る方がお得でしょ?」と、言われることがあります。せっかく長期で投資をしているのに、分配金が年に何度も出るタイプはもったいないですよね。

片岡:そうなんですか!分配金が何度も出た方がお得なのかと思っていました。だって投資しながらお金がもらえるんですよね?

朝倉:よく勘違いされがちですね。分配金とは、主に運用して得た利益を原資として、運用資産の一部を配分するもの。分配金の有無や分配の頻度は投資信託によって異なります。

でも、分配の頻度が多く、例えば毎月出たりすると「お小遣いになる」と感じるかもしれませんが、本来なら分配金を受け取らずに再投資するともっと増えるかもしれないのに、もったいないです。

簡単に説明しますと、1万円から運用によって11000円に増えたときに、分配金として1000円を払いだしてしまうと、運用が再び1万円からのスタートになってしまうわけです。分配金を出さなければ、1万1000円を元手に運用していくので、雪だるま式に増える「複利」
が期待できます。複利の効果は、長期であればあるほど効果が高くなります。

片岡:なるほど、分配金は出さずに運用した方がいいんですね。

朝倉:はい、ある投資信託では、株の配当(配当利回りが4%ほど)から分配金を出すはずなのに、投資信託の分配金で20%も出しているものもありまして……。実際には、自分の身を削ってお金を出しているので要注意。預金の利息と、投資信託の分配金は、別のものだと考えましょう。

片岡:投資信託で疑問だったことがスッキリしました。これで、思いきって購入できそうです!

撮影/山本遼
取材・文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)

 

前回記事「初心者におすすめ!2、3本目の投資信託を買うならこの7選【モーニングスター朝倉智也さん】」はこちら>>

 
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