9割9分の人から反対されたシルバーヘア

 

シルバーヘアを公開すると、弥生さんのもとには驚くほどたくさんのコメントが寄せられたそう。弥生さん自身は、この想像をはるかに超える反響をどう思われたのでしょう?

 

「本当に様々なコメントをいただきました。『髪の毛を染め続けていて地肌が痛い』とか『毎週、毎月染め続けていくことに不安を覚えている』とか、また『グレイヘアにしてみたいけどまだ早いんじゃないか』『まわりの目が気になる』といったものも。中でも一番多かったのは、『移行期間がとてもツラくて乗り越えられないので、どうしたらいいのでしょう?』という声。皆さん、シルバーヘアに対して本当に悩みが多いんだな、と感じましたね」

「まだ早いんじゃないか」「まわりの目が気になる」という理由で、本当はシルバーヘアにしたいのだけどできない、という声は本当によく耳にします。そのような相談にはどう答えられたのでしょうか?

「私が『シルバーヘアにしてみようかな』と思ったのは41歳頃だったんです。
それで似合わなければまた染めればいい、という軽い気持ちで始めてみたら、母親や旦那さんを含め、9割9分の人たちから『やめたほうがいいよ』と反対されたんです。
ほぼ全員が、「早すぎる」「黒髪のほうがイメージにぴったりくる」と言いましたね。旦那さんに至っては、アジア人のエキゾチックな黒髪に憧れがあったらしくて、「えー、シルバーにするの⁉」と少し悲しそうですらありました。
唯一、妹だけが『お姉ちゃんはわりと日本人ぽくない顔立ちだし、やってみたら?』と言ってくれて。それぐらい四面楚歌状態でした(笑)」

それだけ多くの人から反対されて、挫けそうにはならなかったんでしょうか……?

「私の場合、あくまで“実験的に”という気持ちでしたから。自分にとって必要がないなと思ったり、シルバーヘアによって疲れて見えてしまうようだったら逆効果だから、実験は中止しようと思っていたんです。

一方で、自然な髪の色は『絶対素敵なはず!』という思いもありました。だから、『やってみたいなあ』という気持ちのほうが反対の声より強くて。何より、自然の色のほうが自分らしくいられるだろうなという気がしていましたし、そういうふうに生きていきたいな、とも思ったんですよね」

実際、弥生さんにとって白髪を染めることの一番の悩みは、白髪をネガティブな気持ちで見てしまう、ということにあったそう。

 

「もともと白髪染めをしていたときは、自然素材であるヘナとインディゴで染めていたんですね。ヘナはトリートメント効果が高いので、染めるたびに艶のある黒々とした髪になって、自分の中ではとても気に入っていたんです。だから染めること自体は億劫ではなかったのですが、ただ一つ、シルバーの髪がちょこっと出てきたときに『あ、また出てきた、また染めなきゃ』と思ってしまうのが嫌だったんですよね。

それって自分の髪の毛に対してネガティブな気持ちを抱くということじゃないですか。この髪は邪魔ものだ、と。そういう扱いをすることがすごく嫌でシルバーヘアにしてみようと決めたんですけど、決めた途端、一気にシルバーヘアが愛おしいものに変わったんです。
『もうこんなに伸びてきた、もっと伸びてきてね』と。そういうふうにポジティブな方向に変わったのは本当に良かったなあと思いますし、髪に限らず、全てにおいてそういうふうに生きていきたいなと思ったんです。“良く見せる”とか“若く見せる”という方向ではなくて、“自分らしく見せる”という方向に……」


次回は一番よく聞かれるという弥生さんのシルバーヘアへの移行期の過ごし方について伺います。

取材・文/山本奈緒子
構成/片岡千晶


第2回「グレイヘアへの移行期を楽しむテクニック【弥生さんのシンプルな美容法】」9月18日公開予定

第3回「【弥生さん】43歳で自然妊娠…コロナ禍でも動じないシンプルライフの中身とは?」9月21日公開予定

 
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