スキンケアは水とオイルのみ

 

自然の髪色を愛する、という価値観から始まった弥生さんのシルバーヘア。その価値観は、ヘア以外の美容にも表れていそうですが、肌ケアはどのようなことをされているのでしょう?

 

「驚くくらいシンプルですよ。基本的にオイルのみ。洗顔したらミネラルウォーターをパシャパシャして、あとは植物オイルをつけるだけです。保湿クリームやビタミンC美容液などときどき使うこともありますし、『ちょっとザラついてるな』というときはピーリングをすることもあります。だけど基本は、ずーっと水とオイル。もう20年ぐらい、その美容法を続けてますね」

たしかに驚くほどのシンプルさ!ですがこの方法に変えてから、肌は一番調子が良いのだそう。

「しっかり日焼け止めをつけて、洗顔でしっかり落として、水とオイル。私の場合、これが一番肌が生き生きしますね。
元気がないときは水、オイル、水、オイル……と重ねていく。そうするとぐんぐん吸収していきますよ。
夏は毛穴が開くので、冷水で引き締めた後、やはり水とオイル。時々に合わせて微妙にやり方は変えますけど、水とオイルだけ、というのは変わりませんし、この美容法に変えてからが肌は一番調子がいいですね」

実は、このオイル美容を確信したきっかけはお気に入りのイタリアンレストランにあったと言います。一体どういうことなのでしょう!?

「私、日本に帰ってきたときによく行くイタリアンレストランがあるんですけど、そこのシェフのお肌がいつもツルツルなんですよ。シェフは自分で獲ってきたお魚を調理して出したりしているので、太陽もいっぱい浴びているんです。なのにツルツルなので、『化粧品は何を使っているんですか?』と聞いたんですよ。そしたら『お店のオリーブオイルだよ』って(笑)。自分で作ったオリーブオイルを、毎日ちょっと顔に塗ってるだけだと言うんです。やっぱりシンプルでいることが一番綺麗でいられる秘訣だと痛感しましたね」

そこから弥生さんは、足すのではなく“減らす美容”を追求し始めたそう。

 


「もう15年ぐらい前でしょうか。何事も減らすことの大事さを実感し始めて、そこから“どれだけシンプルにするか”という方向の美容に変わっていったんです。
私は18歳でモデルの仕事を始めたんですけど、そうすると『このクリームいいよ』、『この美容液効くよ』といろいろな情報が入ってきます。それでクリームも美容液もナイトクリームも……と、どんどん化粧品を足していっている状態になっていたんですね。

結果、肌自身が頑張る必要がなくなってしまった。たしかに外からどんどん栄養を入れてあげると、その瞬間はすごく回復するんです。でも持続しない。もらうことに慣れすぎると、受け身な肌になってしまうなと感じたんですよ。そこで、足すより“どれだけ減らすか”ということのほうが大事なんじゃないかと考え、追及した結果、水とオイルだけになったというわけです」

今もオイル以外の化粧品を使うことはありますが、それは肌を甘やかさない程度に、だと言います。

「やはり高機能のクリームなどは素晴らしいですから、肌がパッと明るくなります。それに、環境汚染から肌のターンオーバーが遅くなっていると言われる現代には、ピーリングで代謝を促すことも必要。
だから良いものは今も使うんですけど、毎日は使いません。休む期間をとるようにしています。

オイルですら気を付けていて、しばらく月見草オイルを使ったら次はホホバオイルとかココナッツオイルに変えたり、時には違うオイルを足してみたり。
成分が同じものを使い続けると、肌が慣れてしまうし、その成分だけが体に溜まってもしまうので、定期的に変えるようにしているんです。もし皆さんが、『私にはこの化粧品が欠かせないんだ』というものがあるとしたら、それをやめてしまうのは不安だと思いますので、1週間お休みしてみるとか、時々全く違うシリーズを挟んでみるとか、そういうふうにしてみるのもいいと思います」