ミラノで見つけて、大切に持って帰ってきたカップを割ってしまいました。それも7ピースという、かなり派手な壊れ方。でも、どうしても諦めきれず、初めて「金継ぎ」をお願いすることにしました。預けてから4カ月。えっ!そんなにかかるの!と驚いたのですが、漆で接着し、乾かし、その上にまた漆の線をお化粧し、また乾かすーーそれには長い時間がかかるのだそうです。金色だけと思っていたら、銀も黒漆もあることを、金継師の黒田雪子さんに教えていただきました。黒田さんの手で愛しまれた器は、黒漆の線がきりりと映える姿になって戻ってきました。世界にひとつだけの美。「金継ぎ」は、使い続けるために先人が生み出した美しさだと思います。

ドイツ・ベルリンにある窯、クーン・ケラミックの器。日本では、H.P.DECOなどで扱っています。私はこれに、アイスクリームを盛ったり、クッキーを入れたりもしています。