ドラマ「SATC」放送終了から早16年。サマンサ役を演じた俳優のキム・キャトラルが、50代になって感じた人生とキャリアのスランプ、いわゆる「ミッドライフ・クライシス」について「People」誌のインタビューで語っています。

写真:Shutterstock/アフロ

本来ならばミッドライフ・クライシスというのは40歳前後に訪れるものなのですが、SATCの原作者である作家のキャンディス・ブシュネルも小説「25年後のセックス・アンド・ザ・シティ」に書いていたように、現代では50代前後になってから、更年期とともにやってくるケースが増加。キャリアや恋愛、結婚に出産など、人生のイベントのピークが高齢化するに従って、「老い」の実感の訪れも遅くなっているということなのですね。

 

現在64歳のキムは、2004年にSATCが終了した47歳の頃から、キャリアが変わり始めたのを感じたと言います。

「50代のとき、私は何もかもが滑り落ちていくような気になったの。それは緩やかな変化だったけれど、脚本のセリフは半分に減らされ、今までは純情娘か主役かだったのが、離婚した妻かクーガー(年下男性を積極的に狩りに行く肉食熟女)の役になった。そして私はそのどれでもなかった。だから試してみたかったの」と、キム。

そしてみつけたのが、カナダのドラマ「センシティブ・スキン」。彼女はこの作品に出演するだけでなく、プロデューサーも務めています。2014年から2016年に出演したこのドラマでキムが演じたダヴィナ・ジャクソンは、加齢のプロセスが受け入れられないという、キム自身が直面していた問題を体現したかのような役柄でした。

「人生の最大のミステリーは、次に何が起きるかわからないということ。それはつまり、ドアを閉めるのを受け入れるということに繋がっているの。そしてそれはあなたの実行能力やセクシュアリティ、あなたの魅力や、あなたにとって大事なものを大切にし続けるということ。私は問い続けたわ。『今度は何? つまづいて転がり落ちるの? それとも咲き誇るの?』ってね」。

その後キムは、2本のミステリードラマで今までとは全く違ったタイプのキャラクターを立て続けに演じ、新境地を開拓。そして64歳の今、9月21日にスタートするFOXチャンネルの新ドラマ、「Filthy’s Rich」でTVドラマのヒロインに返り咲き!

見た目ももちろんなのですが、新しいことにチャレンジし続けるバイタリティがすごい!

「私は常にいろんなものを加えていきたいの。同じアペタイザーをデリバリーし続けたくはない、演じる役によってメインコースとデザートは変えていきたいわ」。

現在のパートナー、ラッセル・トーマスと。写真:James Peltekian/Camera Press/アフロ

ちなみに、SATCでサマンサは年下イケメンモデルのスミスと交際していたけれど、キム自身も2009年までは22歳年下のイケメンシェフと交際し、サマンサを地で行くクーガーぶりを見せたことも。現在はパブリックスピーキング・コーチのラッセル・トーマスと交際中で、私生活はすっかり落ち着いている模様。

誰もが通るミッドライフ・クライシスの道だけど、自分をあきらめずに可能性を模索することで、道は必ず拓けると信じたいですね。


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