「百貨店系のクレジットカード」は上級者向け?

 

 

片岡:あとは、百貨店系のカードを持っている話もよく聞きますね。

菊地:40、50代で持っている方は多いと思います。ただし、百貨店系のカードは難しくて、上手に活用できる人は少ないかもしれません。一つの百貨店で年間100万円以上洋服やコスメを買う方ならお得になると思いますが、デパ地下のお惣菜などがメインだと、一般的には還元率が下がってしまうんです。
例えば高島屋の「タカシマヤカード」なら、通常の買い物は8%のポイントつきますが、デパ地下での買い物は1%に下がります。

また、高級ブランドの一部ではポイントがつかないので、それなら楽天カード等の方がお得、ということになります。

西山:高島屋ならクレジットカードではなく、安いときに株を買って株主優待カード(10%割引)をもらって、百貨店友の会(12か月間お金を積み立てると、1か月分が上乗せされた買い物カードがもらえる。手数料あり)と併用するほうが、ずっとお得だなと感じます(※高級ブランドで一部該当外もあり)。

菊地:そういう手もありますね。百貨店のクレジットカードは、「このお店なら何パーセントつくか」を常に頭に入れて、上手に使いこなせる人という上級者向けですね。
 

 

カードを見直す時期は「年末か年度末」がおすすめ


片岡:クレジットカードを見直すとしたら、どんな時期がいいのでしょうか。

菊地:おすすめは、入会キャンペーンが多い年末か年度末ですね。特に3月末は、新入社員向けの大型キャンペーンが多く、お得です。

西山:今から自分にあったカードを調べ始めて、来年の3月くらいに切り替えるように準備をするのもいいですね。

菊地:そうですね。ただし注意点として、気になるカードにキャンペーンがあるならいいのですが、「キャンペーンにつられて、よく考えないでカードをつくること」は避けたいですね。キャンペーンで大きなポイント還元があるのが最初の3か月間だけだったり、初年度は年会費が無料でも2年目からは年会費がかかったりということに、気づかないこともあるので……。

カードを1回つくると、結果的にそれをずっと使い続ける人が多いので、「これからずっと使い続けられるか」をじっくり考えてからがおすすめです。
 

お得になる「家族カード」も選択肢


菊地:また、個人的には、「家族カード」を持つと非常にお得だと思います。年会費がかかるカードでも、家族カードなら、本会員の年会費より安くなるのが一般的だからです。

ゴールドカードやプラチナカードは年会費が高いですが、家族カードなら1枚目は無料などになるケースもありますし、使えるサービスは本会員とほぼ一緒です。

西山:夫婦で相談して、カードを見直すのもいいですね。ただ、共働き家庭の場合は、「お互いのお金の領域を侵食されたくない」という方もいます。

菊地:「お財布をしっかり分ける」という夫婦はいらっしゃいますね。でも、お財布を分けると、お金が貯まりにくくなって、個人的にはメリットを感じないですけどね。

家族カードにすると、確かに、本会員に、家族の利用明細が伝わる点が気になる方がいるかもしれません。ただし、エポスカードなら、本会員とは別に明細書が出て、引き落とし口座も別々にすることが可能です。互いの買い物情報は知られたくないけれど、家族カードを持ちたい方にはいいかもしれません。さらに、条件を満たせば、本会員から家族にゴールドカードのインビテーションを送ることもできます。年会費無料で家族もゴールドカードを持てるのはお得ですね。

また、一般的にプラチナカードは年会費が高いですが、コンシュルジュデスクなどのサービスが便利です。それを家族も安く利用できるのは魅力。奥さんが出張をする時にも使えますし、専業主婦の方も実家に帰るときの手配などを頼むことができます。高額な年会費がかかるカードこそ、家族カードを検討する価値があると思いますよ。
 

文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)
この記事は2020年10月6日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。

 

前回記事「90枚を使いこなすプロが教えるクレジットカード5つの新常識」はこちら>>

 
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