片岡:クレジットカードは、以前はステータスの象徴で、アメックスなどのブランドが人気だったかと思うのですが、今は楽天やYahoo!など、ECサイトに紐づいたカードも人気なんですね。キャッシュレス時代で、カードもスマホと同じくらい欠かせないものになったな、と感じているので、本当に今こそ過去の価値観に縛られてはいけないですね。

 

菊地:時代とともにカード事情も変わってきています。1980年にゴールドカードが発行されたので、今の50代以上の方がちょうど社会人になられたときに一番いいカードでした。そういう事情もあって、50代以上の方でゴールドカードを持っている方は多いのではないでしょうか。その後、2000年の少し前からプラチナカードが出て、2000年以降にブラックカードが出てきたことで、ゴールドカードのメリットがさらに薄れてきました。

カードのなかでは、ゴールドが最上級というケースもあるので一概にはいえないのですが、
中途半端なサービスだと感じるゴールドカードもあります。年会費がかかる場合は、付帯サービスなどの特典を使いこなせているかを、一度チェックしておきたいところです。

西山:ライフスタイルやお金の使い方も変わっていくので、ときどき確認したほうがよさそうですね。

菊地:あとは、最近のトレンドとして、黒い券面が人気です。少し前に、黒い券面のVisa LINE Payカードが出て話題になりました。「キラキラしているゴールドカードがステータスがある」というのは昔の話となりましたね。

とはいえ、カードの色は自分自身がどう思うかという問題で、誰かが「あの人はゴールドカードだ」「プラチナカードを持っているのはすごい」などと話題にはならない時代です。お店の人も「支払いができるかどうか」が一番重要ですから。

西山:菊地さんが買い物のときに「プラチナカードなんですね!」と言われたことは?

菊地:まったくないですね(笑)。何か言われるとしたら、金属のカードを出したときでしょうか。アメックスのプラチナカード以上かラグジュアリーカードは、プラスチックではなく、金属の重たいカードなんです。とはいえ、私は仕事柄持っているのですけどね(笑)。

片岡:金属のカードがあるんですね!ちなみに、プラチナカードの付帯サービスは、どんなものがありますか?

菊地:プラチナカードは、コンシュルジュデスクが非常に便利ですね。上手に使えば、年会費の2~5万円の元が取れると思います。

例えば、旅行や出張に行くときに、エリアや好み、金額などを伝えると、それにあった飛行機や新幹線、ホテルなどを提案・手配してもらえます。プラチナといっても、ラグジュアリーホテル限定ということではなくて、ビジネスホテルなども可能ですし、飛行機で割引料金があればそれで手配してもらえます。
「1万円以内で、この時期にこのエリアで」といった要望を具体的に出せるので、まるで秘書のようなサービスです。

西山:忙しい方や、旅行や出張が多い方によさそうですね。

菊地:はい、それとランチ会などのレストラン手配やお花の手配もできますよ。相手の年齢や好みの色などを伝えると、そのイメージにあった花を手配してもらえます。レストランはアレルギーや苦手食材を伝えておくと、それ以降はその情報をレストラン側に伝えてくれますし、小学生の子どもが利用できるレストランを探してほしいという使い方もできますよ。

西山:便利なだけでなく、楽しみも増えそう!

菊地:はい。おすすめとしては、夫婦の場合、プラチナカード以上だと、家族カードは年会費が無料のケースが多いのでおすすめです。もし夫婦でゴールドカードを1枚ずつ持っていたら、プラチナに切り替えた方がトータルでお得になることもあります。

例えば、「セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」は年会費2万円ですが、別のゴールドカードに夫婦で年会費を1万円ずつ払っていれば、夫婦でセゾンプラチナに切り替えるのも手です。家族カードは3000円ですが、夫婦でプラチナカードを持てて、付帯サービスを利用できるので価値はあると思います。

片岡:プラチナカードを持つには、インビテーションが届くのを待つ形でしょうか?

菊地:最近は、自分で申し込みするケースも多いですね。高額な年会費がかかりますから、それに自分で申し込むならしっかり使ってくれると判断され、審査は多少通りやすいかもしれません。

片岡:クレジットカードって、こんなに奥深かったのですね!

西山:カードは、ポイントを欲しいのか、特別な体験をしたいか、出張や旅行の手間を省きたいかなど、目的によって、自分に向いているものが変わりそうですね。

菊地:はい。すべての面において満足がいくような100点満点のカードは、おそらくありません。ポイント還元率や年会費、付帯サービスなどを比較してみて、「こちらのカードは70点、こちらは80点。それなら80点のカードにしようかな」という選び方がいいと思います。

片岡:こんなにカードの種類があるとは発見でした。ぜひ見直してみたいと思います!

※年会費は税抜き。情報が変わる場合もありますので、詳細はHP等でご確認ください。

文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)

 

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