生涯未婚率が年々上昇している現在、「わざわざ婚活しない」、もしくは「結婚しない」という選択をしている女性も増えてきました。
そういう人たちは、結婚を「窮屈な制度」だと感じている人も少なくありません。その理由はなんでしょうか。
 

■理由1:結婚したら、女性の負担が増えるから


世界の各国の男女間の不均衡を示す指標である「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書2019(The Global Gender Gap Report 2020)」では、日本は世界153ヶ国のうち121位と、G7のなかで最下位。「結婚したら家事と育児と仕事に追われ、むしろ生きにくくなる」と考えている女性も増えてきています。

日本における2019年度の「男性の育休取得率」が7.48%という低いパーセンテージにもかかわらず、「過去最高の結果」であっただけあり、日本では相変わらず「子育ては“母親の仕事”だ」という認識を抱いている人が根強くいます。“父親の仕事”でもあるのに、です。
さらに、家事も妻の負担が多い家庭が多いため、外で仕事をしている女性の場合は特に、「私の負担が大きすぎる!」と不満を抱くことは多々あるものです。

そんな世の妻たちを見ている独身女性たちは、「たとえ自分の負担が増えるのだとしても、『この人とだったら結婚して、生活を共にしたい』と思えるほどの相手でないと、なかなか結婚する気が起こらない」という人が増えてもおかしくはありません。
現代は、一昔前とは違って「女性がお嫁にもらっていただくもの」なんて発想は薄れてきています。なぜなら、今は女性の生き方の選択肢が増え、夫に食べさせてもらわなくても、自分が外で働くことができるからです。さらに言えば、妻を専業主婦にできるほど余裕のある給与をもらえる夫は多くはありません。結婚しても外でも働かなくてはいけない女性は多いものです。
独身女性が結婚しない理由として、「なかなかいい人に出会えないから」ということがよく言われますが、そこには“妻の仕事量”と“経済状況”を考慮した上で、「いい人だと思える人がいない」ことが原因だと言えるのです。

 


■理由2:結婚しなくても生きていけるから


現代は、男女限らず、独り身であっても不自由しないくらいに色々なサービスがあります。だから、ある程度の生活力と自立心を持っていたら、誰かと共に生活をするよりも一人のほうが快適に過ごせる可能性もあるのです。

一昔前は、女性が外で働ける環境は限られていたこともあり、お金を稼ぐことは夫に頼り、その代わり家族の身の回りの世話を妻が引き受けていたところがあります。
でも現代のように、自分の生活費は自分で稼げ、しかも自分の身の回りのことは1人でできる独身者が増えると、それ以外のなにかプラスαの魅力を感じる相手でなければ、結婚する意味を感じなくなってきているところもあるのでしょう。
つまり、昔とは違って、「生活のために結婚する人が減ってきた」と言えるのです。

それだけでなく、現代の女性はどんどん精神的に自立できるようになっています。“男性に頼る可愛い女性”よりも、“1人でも何でもできる自立したカッコイイ女性”を目指す人が増えてきています。
実は、それは恋愛、結婚においても悪いことではありません。なぜなら、精神的に自立しているからこそ、本当の意味で人を愛することができるからです。逆を言えば、自立していないと、まだ相手への愛情が”自己愛の延長”になってしまうのです。

自立している人は、自分で自分を喜ばせることができるので、心を満たされている分、「人に与えられる」ものです。逆に、自立していない人は、人に依存して、自分を楽しませてもらおうとするので、「相手に求める」ことばかりしてしまいます。極端な言い方をすると、「自分が快適に過ごすために、相手を利用しようとしてしまう」のです。そこにあるのは、本当の愛ではなく、”自己愛”です。

自立している女性がパートナーに求めるのは、「フェアな関係が築くこと」です。でも、結婚を望む男性の多くは、未だ「妻に家事全般をしてもらって、自分は楽をしたい」という願望を抱きがち。だからこそ、”自立していて、世間体に振り回されない女性”ほど、深い愛情を感じる相手と出会わない限り、「結婚したい」とは思わなくなってきているのです。
 

 

■理由3:自由に生きたいから


多くの人にとって、「自分が選択できる自由がある」ことは幸せなことです。でも、結婚したら、“夫と二人三脚で生きていく”必要が出てくるもの。なにかをやりたいときは、パートナーの許可が必要だったり、場合によっては、反対されて我慢したりすることも出てきます。それが自由を好む人にとっては、窮屈に感じてしまうのです。

現代のように、還暦過ぎても若々しい人が多く、いくつになってもチャレンジできるような時代になってくると、30、40代になっても、結婚して落ち着くよりも「まだ好きなことをやっていたい」と思う人は少なからずいます。そういう人は婚期が遅れたり、生涯結婚しなかったりするのです。

もちろん結婚してもやりたいことをできないわけではありませんが、物理的に時間と労力には限りがあるので、独身のような身軽さはないもの。たとえば一人旅が好きな女性が、「夫と子供を置いて、好き勝手に旅に行く」なんてことはできないですしね。
現代は、女性が活躍できる場が増えてきたからこそ、仕事の面白さに目覚める人もいます。だから、ものすごくやりたいことがある女性にとっては、「結婚してパートナーを支え、子育てをしながら生きる」というのは、ある意味、苦行になってしまうこともあるのです。
特に日本のように、未だ家事と子育ては妻任せである夫が多く、さらに国による育児のサポートが少ない国の場合はそうでしょう。

まだ多くの夫婦が、少なからず“自分の理想の妻像(夫像)”を押し付け合ってしまうことも多いもの。場合によっては、相手がものすごくやりたいことでも、それが自分の理想とするパートナーの姿でない時は、「僕(私)が恥ずかしいから、やらないでほしい」と止める人もいます。
だから、「自分らしくありたい」「自分の可能性を最大限に生かしたい」と思っている人ほど、自分の足かせになり得る結婚を望まない人もいます。

ただ、それは必ずしも悪いことではありません。なぜなら、自分らしさを失ったまま幸せでいられる人など、皆無だからです。だから、もし「自分らしくあるために、結婚しないことを望む」のであれば、それが”その人の幸せの形”だと言えるのです。
 

■理由4:現役で恋愛をしていたいから


結婚というのは、「もうパートナー以外の人とは恋愛をしません」と誓うことです。だからこそ、恋愛体質の人は、独身のまま自由に恋愛をしたほうがいいでしょう。結婚したら、家族に迷惑をかけてしまいますしね。

世の中には、「恋愛こそが“人生の楽しみ”であり、自分のエネルギーになる」と思っている人もいます。そういう人にとっては、たった1人の人をずっと愛し続けなくてはいけない結婚制度は、とても窮屈なものでしょう。
実際に、結婚をしていても、周りには素敵な人がいることも多いので、好きになってしまうことはあるもの。そんなとき相手と恋愛することを我慢できない人は、“結婚向きの人”ではないので、独身でいたほうが幸せでしょう。
 

■独身者は、“結婚以外のもの”を得ている


結局、結婚していない人というのは、「“結婚”を得ていない」というよりも、「“結婚以外のもの”を得ている」ということ。それが人によって、自由、仕事、趣味、夢、恋愛だったりするのです。

とはいえ、結婚は悪いものではありません。むしろ人によっては幸せをもたらしてくれるものです。
ただ、今後社会の変化と共に、結婚の在り方、存在意義は変わってくるかもしれません。結婚しても、しなくても、自分らしさを失わずに幸せに生きていきたいものですね。
 

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