―― 投資信託は、銀行や証券会社でつくられている、と思っている人もいるようです。銀行や証券会社は「販売会社」で、投資信託をつくっているのは、中川さんが社長でいらっしゃる野村アセットマネジメントをはじめたとした、運用会社ですよね。

 

中川:はい、少しわかりづらいかもしれないですね(笑)。野村アセットマネジメントでは、個人投資家に直接投資信託をおすすめして投資していただく窓口がないので、証券会社さんや銀行さんにそれらの役割を担ってもらっています。
運用会社は、後ろに隠れていて見えにくいのですが、おおまかに申しますと、窓口となる銀行や証券会社を通して預けていただいたみなさまのお金の運用を代行しています。投資先の企業を分析したり、選んだり、実際に投資したり、です。

弊社で、インデックスファンド(日経平均株価など、指数と同じ値動きを目指す運用をする投資信託)について知っていただくページを作成しています。これから投資を始めるといった方向けのページですので、よろしかったら見てください。

 

――ワクワクするような動画で、投資が堅苦しいものではなく、生活に気軽に取り入れたくなるような雰囲気ですね。

中川:ありがとうございます。こちらのメニューバーの中の「Tools」内にある「つみたてシミュレーション」で、例えば毎月1万円積み立てた場合、5年間で銀行預金ではどのくらいの利子がつくか、また仮に投資信託に同じ金額を投資した場合はどうだったか、といったシミュレーションがぱっと見られるので、投資初心者の方はイメージしやすいかな、と思います。また「投信アシスト」内では、ご自身の資産の将来をシミュレーションすることもできます。

――投資を続けたその先までシミュレーションでイメージできると、踏み出しやすいですね。とはいえ、投資初心者の第二の難関として「今は相場が高いから、買い時ではないかも」「今は相場が低くて、もっと下がるかもしれない」と考えすぎて、いつが始めどきかわからないという……。

中川:そのお気持ちもよくわかります。でも、経済や政治のニュースを見て、「株価が下がりそう」と思っても、必ずしも下がらなかったり、またその逆もあったりで、なかなか相場は読めるものではないですよね。

それなら、もう相場は読めないものだとして、「思い立ったら吉日」で、はじめてみるというのも一つの手だと思います。

――少額ずつの積み立てなら、リスクも少ないですしね。

中川:はい、もし、1か月あたり5000円くらい投資にまわせそうであれば、1000円ずつ5種類の投資信託を買うことでもいいし、一つの投資信託を1週間で1000円ずつ買っていくというのもいいですね。「月曜日にしよう」「水曜日にしよう」などと決めて、はじめてみる。500円でもいいですしね。

 

――積み立ては「毎月」だけでなく、「毎週」や「毎日」などのペースで買うこともできますものね。

中川:私たちはよく、「積立投資の感覚は、ガソリンを買うときに似ているね」と話すんです。1000円を持ってガソリンスタンドに行ったら、1リットルあたりの値段が高いときは、ガソリンを少ししか入れられないのでうれしくないけれど、値段が低ければ悲しいのではなくて、ガソリンをたくさん入れられるのでうれしいですよね。

――ガソリン! イメージがつきやすいです!

中川:実際の積立投資も、一度始めてしまうと、この感覚に似たような気持ちになります。相場が低いときは「たくさん買えるな」と思えるようになる。そうなれば、そこから先は、相場に波があってもあまり気にならなくなって、積み立てを続けていくことができると思います。

ぜひ、応援してみたい投資先を見つけて、「思い立ったが吉日」で、小さな金額から一歩踏み出してみていただけたらと思います。
 

撮影/柏原力
取材・文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)

 

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