――扱い方が分かってきたのはここ10年ぐらいとのことですが、それまではどんな失敗をされたんですか?

 

カットだけで理想のヘアスタイルにできるんじゃないかと思って、あれこれ試したくなっちゃうんですよね。
私の父は美容師で、ずっと父にカットしてもらっているんですけど、それこそタレントさんやモデルさんが出てる雑誌を見せて、「これと同じ髪型にしてほしい」とお願いして。そのたびに「これはセットしているからこうなるわけで、カットして乾かしただけででこうなるわけじゃないよ?何より、りえの髪質に合わないから」って突っ込まれる。何百回もやってきた会話です(笑)。今だにあります、「何で分からないの?」って叱られること(笑)。
分かっているんですよ、でもやっぱり夢見ちゃうじゃないですか。もしかしたら自然にこんなスタイリングになるんじゃないかって。

 

――タレントさんにはヘアメイクさんがいることはともさかさんが一番知っているはずなのに(笑)。ご両親も同じような髪質なんですか?

完全に遺伝ですね。私の髪質は、上手く父と母をミックスした感じ。毛量が少ない人からは「ボリュームがあってうらやましい」と言われるけど、私はこういう髪質だから、ボリュームがなくて猫っ毛のとろーんとしたら柔らかい髪質の人に憧れる。
完全にないものねだりだとは自覚しています(笑)。

――ないものねだり、分かります、分かります。

だから思いっきり梳いて毛量を少なくしたこともあるんですけど、やっぱり自分の髪質とマッチしなくて、上手くセットできないんですよね。そういう失敗を数々繰り返してきての今があります。

――若いときってなかなか自分がウィークポイントだと思っている部分を受け入れられないんですよね。

そうそう、どうにかできるんじゃないかと思っちゃう。
でも年齢を重ねると、ウィークポイントをなかったことにせず、受け入れながら上手く見せる方法を考えるしかないんだなって、分かってくるというか。

 

――逆にウィークポイントを受け入れないと、自分の見せ方って分からないんでしょうね。

それはありますよね。コンプレックスと向き合わずに見て見ぬ振りをしようとするから、いろいろ辻褄が合わなくなってしまう。
私だって容姿やら性格やら、自信がない部分は沢山ありますよ。自分で受け入れられない部分も残念ながらある。でもどこかで折り合いをつけなきゃいけないし、自分的ウィークポイントがあるからこそ、磨いて伸ばせる部分があるなら伸ばしてあげたい。

それは髪だけでなく、自分という人間の全てにおいて言えることですよね。子供が小さかったりすると、自分のことなんて後回しにしがちだし、私も産後1年くらいはお風呂上がりに化粧水をつける余裕もなかったけど、子供の成長と共に余裕ができた今、自分を労る大切さを実感しています。
自分で自分を大切に扱うって、何よりの美容だなと思いますよ。
 

撮影/若木信吾
スタイリスト/斉藤くみ
ヘアメイク/北一騎
取材・文/山本奈緒子
構成/片岡千晶(編集部)

<衣装お問い合わせ先>
ノーク tel. 03-3669-5205

前回記事「ともさかりえさんの体型の変化「目指すのはぶりんとしたお尻と筋肉のある太もも」」はこちら>>

 
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