女優として幅広い役柄に挑みながら、18年には全曲作詞作曲を手がけ、ラップも披露しているメジャー1stアルバム『Here We Go』を発表するなど、自分らしいペースで歌手としても活躍している小西真奈美さん。2年ぶりとなるアルバム『Cure』をリリースする小西さんに、アラフォーになってからはじめた音楽のこと、唯一無二の澄んだ歌声について、そして音楽活動を通して改めて見えてきた新しい世界についてうかがいました。

 

小西 真奈美
1978年10月27日生まれ。女優・歌手。1998年、つかこうへい演出の舞台『寝盗られ宗介』でデビュー。女優として数々のドラマ、映画、CMに出演中。歌手としては、2016年、舞台『KREVAの新しい音楽劇「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」』にて初めてラップに挑戦。KREVAのシングル曲のカヴァー「トランキライザー」を初めて本人名義でリリース。同曲は iTunesのHIPHOPチャートで1位を獲得。2017年、インディーズでEP「I miss you」と、亀田誠治プロデュースのシングル「君とクリスマス」、「クリスマスプレゼント」を発表。2018年、ビクターより全曲自身で作詞作曲を行ったメジャー1stアルバム『Here We Go』をリリース。
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アルバム『CURE』のテーマは“頭身大の大人のポップアルバム”。亀田誠治、後藤正文、堀込高樹、Kan Sano という 錚々たる4 名のプロデューサーがオリジナルとカバーを1曲ずつ手がけ、それぞれが小西さんの違う表情を引き出すというユニークな試みが行われています。

小西:4人のプロデューサーさんとアルバムを作るのはどうですか? というお話をいただいて、しかも洋楽のカバーはやったことがなかったので、すごく面白そうだなと思ったんです。カバー曲の『Again』と『ギブス』は私が歌ってみたかった曲。『Ain’t Nobody Know』は後藤さんの方から提案していただいた曲のなから、星野源さんの曲が心にフィットして決めました。スタッフさんが私の声で聞いてみたい曲をあげてくださって、そのなかの一曲が映画『はじまりのうた』でキーラ・ナイトレイが歌っている『Lost Stars』。オリジナル曲は基本的には私が選ばせていただいたのですが、『Endless Summer』は後藤さんとの共作なんです。歌詞の一部分だけを私の目線で書くという初めての挑戦をさせてもらえたのも楽しかったですね。

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3年ほど前からはじめた作詞作曲に関しては、しめきりに追われて……、というよりも、日常的に曲作りを楽しんでいるそう。

小西:ドラマの撮影や舞台の期間には集中しているので曲作りをする余裕はなくなりますが、普段はふわっと時間ができると曲を作っています。世の中に出す出さないは置いておいて、生まれてきたものは一旦カタチにしたいな、って。メロディーと歌詞が一緒に出てくることが多いのでまずはスマホで録って、あとでピアノを弾きながら探っていく、という感じですね。曲作りを自分なりに楽しめているのは、亀田さんのおかげなんです。インディーズ時代に亀田さんとご一緒させていただいたときに、「知識や経験は関係ない。自分の中から何かが生まれてくることが大事だから、これからも曲を作ってください」と、私が作った曲をとてもリスペクトしてくださいました。
 

特徴的な「声」は持ち味と言われて救われた


リード曲の『君とはもう逢えなくても』をはじめ、ジャンルは違ってもどの楽曲にも共通しているのは、まるで自分だけにささやきかけてくれているような、マジカルな波動を感じる澄んだ歌声! 鼓膜が喜ぶ心地いいビブラートも、小西さんの歌声の魅力のひとつです。

小西:それも本当に亀田さんに感謝、なんです。歌が上手い人は声量がある人なんだと思っていたので、亀田さんに正直にお話ししたんですよね。「私は声量もないし、声も続かない。こういう状態で大丈夫でしょうか?」って。そしたら「それは真奈美ちゃんの持ち味だよ。みんな自分のユニークな部分や個性を探しているけど、すでに声と歌い方が他にないものなんだから、この状態をキープして歌ってほしい」と。あ、これは個性ってことでいいんだと思ったら、道が開けてきました。誰かに近づこう、誰かになろうとして自分にないものを探すんじゃなくて、今あるものを大事にしようというふうに思えたというか。ビブラートっていうものもよくわかっていなくて、亀田さんに「歌うと息が続かなくて揺れちゃうんです。息継ぎはどうしたらいいでしょうか」って相談したんですよ(笑)。その質問に対しても、「そのままでいいよ」と答えてくれました。

小西真奈美さんの無垢と成熟が共存した表情
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