みなさんは今年、何をやめましたか? コロナ禍を過ごす中、これまでは絶対に必要! と思っていたものを少しずつ手放して、身軽になったという方もいらっしゃると思います。漫画家・わたなべぽんさんの『やめてみた。』シリーズ(幻冬舎)は累計40万部突破の大ヒットとなり、世間は空前の「やめてみる」ブームと言っても過言ではありません。実は、ドイツでもある女性の「やめてみる」を実践した一冊が話題を呼び、ドイツ国内で70万部超の大ヒットを記録しました。それが、広告代理店で働いていたアレクサンドラ・ラインヴァルトさんによる著書『ホントはやなこと、マジでやめてみた 誰にもジャマされない「自分の時間」が生まれるドイツ式ルール42』です。

合わない女友達との付き合いをやめて気持ちがすっきりしたことで、「嫌なことはスルーしていいんだ!」と気づいたラインヴァルトさん。そこから、生活の中で様々なことをスルーする方法を模索していきます。歯に衣着せぬホンネが詰まった本書の中から、今回は特別に3つの“スルーエピソード”を一部抜粋してお送りします! 
 

生活の「捨てられない物」をスルー!
笑顔になれるものだけ残す、で片付けは完了

 

ラインヴァルトさんが教える“スルースキル”の使い道は、人、物、事と多岐にわたります。とはいえ、今まで受け止めてきたことをスルーするのは勇気が要るもの。そんな人はまず、「物」から始めてみるといいと言います。

 

「“物”はスルーの練習にうってつけ。なんたって、物相手ならスルーしても傷つけずにすむし。それに、だいたいの人は山ほど物を持っている。
今は亡き伯母さんの形見にもらったキツネ毛皮のマフラー。大枚をはたいて買ったスワロフスキーの派手なシャンデリア。オーダーメイドしちゃったものの今は物置に眠ってる、クルクル回るブロンズ製の仏像――。うん、いいと思う。物を持ってるって、すばらしいことだ。
ただし、それは実際に使ってる物か、または持ち主を幸せな気持ちにさせてくれる物に限っての話。たとえば、どんなに亡き伯母さんを愛してても、伯母さんの毛皮のマフラーはぶっちゃけちょっと……ってこともある。わたしたちがスルーすべきは、伯母さんや、毛皮のマフラーそのものじゃない。そういう物を“捨てられない心理”のほうを、まずスルーしていこう」

物を捨てられない心理をスルーするテクニックでもっとも大切なのは2つ。以下のいずれかに当てはまるものは「捨てずに取っておく」選択をすべきだそう。

①それを目にすると、つい笑顔になっちゃう
②実際に使っている

取っておくか捨てるか迷ってしまうグレーゾーンものが出てきたら、チェックリスト【「捨てようかな」と迷っているものを思い浮かべて、迷っている理由にチェックを入れよう】を使って、別の基準から考えてみると良いそうです。「1つでもチェックがつくようなら、それは迷わず捨ててオッケー!」とラインヴァルトさん。
 

物、仕事、夫・彼氏にも使える! ラインヴァルトさん式スルーチェックリスト3つ
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クローゼットの奥で肥やしと化している出番のない洋服や靴は、さらに次のことに当てはまるアイテムかどうか、一つひとつ白羽の矢を立ててみるのだそうです。

a きつくなって着られない/履けない物
b いつかダイエットに成功したら、また着られる/履けるようになるはずの物

ラインヴァルトさんはいずれかでも該当するなら、躊躇せず「バンバン捨てるべし」と断言。

「このルールに従うと、高級ブランドの仕立てのいいジャケットなんかがお払い箱になる一方で、セクシーな黒レザーのコルセットや、昔おばあちゃんが結婚式に着た古めかしいウェディングドレスは生き残ることもある。なぜって、どちらも見るだけで楽しい思い出が甦ってくるから」

使っているもの、笑顔になるものは残す。いつか、きっと、という理由だけで取ってあるものは潔くお別れをする。そんなシンプルな考え方を身につけることで、本当に必要な物だけに囲まれた心地よい暮らしが手に入るのかもしれません。