これはどちらかというと、「働きたくないから玉の輿に乗りたい」というのと同じような心理です。つまり、不安や孤独を他人に何とかしてもらおうとしているということ。「パートナーを見つけたい!」と強く望まれていますが、少々厳しいことを言いますと、果たしてそのような女性が男性にとって魅力的に見えるかどうか……。

ですからまずは、「自分が何を与えられるか」ということを考えてみましょう。今は“他者目線”がなく“自分目線”ばかりになっていますので、「私といるとこんなふうに楽しいよ」「お得だよ」ということも考えてほしいと思います。
もう1つ指摘させていただきたいのは、Chihiroさんに起こっている大きな“自己矛盾”です。というのもChihiroさんは男性をバカにしているのに、男性に安心感や頼もしさを求めている。つまり、入口と出口が完全に違うのです。これは“Wメッセージ(=言っていることと現状が一致しない状況を意図的に作り出すこと)”と言いますか、もっと分かりやすく言いますと、ナイフをかまえた状態で「優しくして」と要求しているようなものだと思うのです。これでは当然、男性も困惑します。
Chihiroさんはいわゆる“男性嫌い”ではないと思います。本当の男性嫌いの方というのは、男性に何かを求めるという発想がないものです。それゆえ若いときからしっかり貯金をしたり、老人ホームの情報を集めるなど、一人で生きていける準備もしています。
Chihiroさんは、本当は男性のことを嫌いではないのだけれど、いろいろあって“男性嫌い”という皮をかぶっているのではないかと私は思います。嫌いどころか、むしろ憎らしいほど好きなのかもしれません。お姉さんとの葛藤もあって悩みが複雑になっていますが、向き合うべきポイントはそこだけで良いかもしれません。男性のことを好きだと知り、そして自分が与えられるものを考える。それだけできっと、婚活の状態は大きく変わってくると思いますよ。
- 根本裕幸1972年生まれ。1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年にプロカウンセラーとしてデビュー。以来、述べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に寄与。企画、運営に従事し、2003年からは年間100本以上の講座やセミナーもこなす。2015年より独立。フリーのカウンセラー、講師、作家として活動している。『いつも自分のせいにする 罪悪感がすーっと消えてなくなる本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)、『子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる』(実務教育出版)など著書多数。ブログはコチラ→https://nemotohiroyuki.jp/ この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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