くうママさんは今は弟さんを着信拒否にして突き放しているとのことですが、本当に切り捨てる罪悪感はないのでしょうか? 「死んでくれればとも思う」と書かれてもいましたが、本当に弟さんが亡くなったときはどう思われるのか? ホッとするのか、罪悪感を覚えるのか、あるいは悲しいのか……。まずはそこを考えてみてください。

そのうえで切り捨てることに覚悟が持てるなら、弟さんが再び家に無心に来たときは、警察に相談すると良いでしょう。もちろん警察ができることにも範囲というものがあります。とくに弟さんとは血がつながった家族ですから、事件化されない限りは警察も動けません。それでも警察に相談すれば、近隣をパトロールしてくれるかもしれませんし、それがくうママさんの本気度となって弟さんに伝わるかもしれません。警察や行政は限界があるので、自分で警備会社から警備員を雇うのも一つの手です。
一方で、どこかで弟さんをかわいそうと思う気持ちがあって、断固拒否という姿勢までは取れていない可能性はないでしょうか? どこかで、私が面倒を見てあげなければ、と思ってはいないでしょうか? その迷いは中途半端な気持ちになって、完全に拒否することも、面倒を見ることもできなくさせてしまう。そこに弟さんはつけ込んできますし、逆に中途半端に期待させて、弟さんを振り回してしまうことにもなります。本当は愛情が残っていないのに、気のあるフリをする男性と同じですね。ですから、“どのレベルで問題と向き合っていくか”という自分の意志をハッキリさせることが大事なのです。
あとは、旦那さんの協力はどのくらい得られるか、ということも考えてみてください。旦那さんは「君の弟なんだから、俺は知らない」と突き放す人ですか? それともくうママさんを守ってくれる人ですか? 第三者のほうが冷静な行動を取れますから、旦那さんの協力があるかどうかは重要です。が、もしかしたら夫婦関係の問題が、弟さんへの態度に迷いを生じさせている可能性もあります。そういったことも念頭に置いたうえで、自分の意志をハッキリさせてください。そうすればおのずと、取るべき対応は決まってくると思いますから。
- 根本裕幸1972年生まれ。1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年にプロカウンセラーとしてデビュー。以来、述べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に寄与。企画、運営に従事し、2003年からは年間100本以上の講座やセミナーもこなす。2015年より独立。フリーのカウンセラー、講師、作家として活動している。『いつも自分のせいにする 罪悪感がすーっと消えてなくなる本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)、『子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる』(実務教育出版)など著書多数。ブログはコチラ→https://nemotohiroyuki.jp/ この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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