横浜でクリーニング店を営みながら、全国で「正しい洗濯の方法」を広める活動を行う“洗濯ブラザーズ”の茂木貴史さんにうかがう自宅での洗濯方法。第4回は、“洗濯の基本”を改めて教えて頂きます。誰かに教わることのなかった洗濯方法、驚きと発見の連続でした……!

 


Q:洗濯機に入れる順番は衣類→水→洗剤でOK?

A:水→洗剤→衣類の順番で!
洗濯槽に衣類を入れて、洗剤を入れたらフタを閉めてスタートボタンを押す。9割の方はこういう洗い方をしているのでは?衣類に水が直接ふりかかると、衣類は大きなダメージを受けてしまいます。そのため、先に水と洗剤を混ぜて泡立ててから衣類を入れた方が、生地のダメージを防ぐことができ、仕上がりが劇的に変わります。

 

① 洗濯槽はカラに!

 

手動設定で水の量を最大量にして、スタートボタンを押す。

② まず水をためる

 

水がたまりきったら、一時停止ボタンを押す。

③ 次に、洗剤を投入!

 

洗剤の注入口ではなく、水の中に直接洗剤を入れる。その後、再度スタートボタンを押して水と洗剤を混ぜる。

④ 洗濯機を回して洗剤を泡立てる

 

しばらく洗濯機を回してください。(泡立ちにくい洗剤もあります。水と洗剤をよく混ぜることが大切です)

⑤ 最後に洗濯物を入れて洗濯スタート!

 

水の量は多い方が良いです。多くの洗濯機は節水モードがデフォルトになっていますが、日本の水は軟水で洗浄力が高いので、水を多くすることできれいに洗えて、洋服も長持ちします。

 

また、洗濯物の量は洗濯槽の6割程度にしましょう。縦型の洗濯機なら、洗濯物を軽くこぶしで押さえたときに、水が手首の上あたりまでしっかり浸っていればOKです。(ドラム式洗濯機の場合の手順は第5回でご紹介します)



Q:液体洗剤の方が粉末洗剤より洗浄力は強い?

A:洗浄力が高いのは粉末洗剤です。洗剤を選ぶ時は、成分表示をチェックして、用途に合わせて選びましょう。普段使いのものなら弱アルカリ性の液体洗剤を、シルクなどデリケートな素材には中性洗剤を、洗浄力を重視する方は粉末洗剤がおすすめです。粉末の場合は、生地や肌に刺激を与える、漂白剤や蛍光増白剤が入っていないものを選びましょう。

また、洗濯物の量が多い時も洗剤を入れ過ぎないように。洗剤の量が多いからよく落ちる、ということではありません!その場合は水の量を増やして洗ってください。


Q:ふっくらさせたいから柔軟剤は毎回入れるべき?

A:柔軟剤は毎回入れる必要はありません。柔軟剤には油膜でコーティングする効果があるので、タオルなど吸水性があるものにはおすすめしません。また、蛍光増白剤が入っているものは、肌が弱い方は肌荒れする場合もあるので、インナーウェアや子供服への使用は避けてください。静電気防止やウィルス防止用として、アウターなどに使うのがおすすめです。


料理教室はあっても洗濯教室はないですよね、とおっしゃる茂木さん。確かに、手洗い方法を指南するものはいくつかありますが、洗濯機はスタートボタンを押すだけでしたよね。ちょっとひと手間加えるだけで、洋服も長持ちするそうです。ぜひ出来るところからトライしてみてくださいね。次回も洗濯の基本をレクチャーしていただきます!

 

『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』
洗濯ブラザーズ 著

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「生乾きの臭い」「黄ばみ」「シワ」「シミ」などの洗濯の悩みは、間違った洗い方で起きているもので、ちょっとした工夫で解消する方法を紹介。また、キレイに洗えるだけではなく、同時に服を傷めず長持ちさせられるのが、洗濯ブラザーズ式・洗濯術の特徴である。この方法なら、9割以上の洗濯物は自宅で洗えて、クリーニング代を大幅に節約することができる。

取材・構成・文/出原杏子

第1回「洗濯ブラザーズが伝授!衣類が長持ちする自宅ケアのコツ」はこちら>>
第2回「自宅でシルクを縮ませずに洗う方法【洗濯ブラザーズが実演!】」はこちら>>
第3回「洗濯ブラザーズが伝授!衣類が長持ちする自宅ケアのコツ」はこちら>>