判断するのは子ども自身

▲我妻善逸

今回、たくさんのママやパパに話を聞きましたが、多くの方が「見る、見ないは子どもの判断に委ねている」ということを感じました。

 


また、特に筆者の印象に残ったのが、お子さんは「善逸好き」が多いということ。2020年10月26日発売の週刊少年ジャンプ47号で発表された第二回『鬼滅の刃』キャラクター人気投票にて、善逸がなんと主人公を差し置いて第1位に輝いたのは記憶に新しいところです。SNSでかなり話題になったので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

「驚いた」と書いてしまいましたが、実はこの結果に筆者は大いに納得しています。これまで大きく評価されてきた「週刊少年ジャンプ」の“THE・主人公”に当てはまる人物は、炭治郎ではなく善逸だと思っているからです。

弱虫でビビりでヘタレ、さらには美人に弱く惚れっぽいという一面を持ちながら、実際敵を目の前にすると急激に強くなるというギャップを持つ善逸。歴代の人気を誇ったジャンプ主人公たちを見ると、善逸が大きく当てはまると思いませんか?

ママやパパに話を聞いていると「炭治郎から、家族を大切に思う気持ちや、敵にも慈悲を見せる心を学んでほしい」という言葉が出てきます。一方で、子どもたちの多くは「善逸が好き」で、なぜかを聞くと「普段は頼りないけど、実は超強い!」という点や、コミカルで面白いキャラクターであることが理由として挙げられていました。

話が反れてしまいましたが、今回のインタビューから考えると、「このシーンは大人から見てもキツイけど、子どもが見て大丈夫なんだろうか」「変な影響を与えてしまうのではないのだろうか」という心配は、“いらぬおせっかい”なのかもしれません。「鬼滅の刃」はそれ以上に、もっと大切なものを子どもたちに与えてくれる作品なのだと実感させられることとなりました。
 

※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となります。

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
※画像はアニメ公式サイトより
文/米田果織
 

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