食育インストラクターとして料理番組出演からレシピ考案、また講演会やコラム執筆など精力的に活動している和田明日香さん。プライベートでは10歳、8歳、6歳の3人の子育てをしているお母さん。大忙しの日々ですが、一方で「私には私の人生がある」という考え方の持ち主でもあり、純粋に自由になる時間を生み出す努力も惜しみません。忙しい女性みんなが参考になる、和田さん流時間捻出術とは……?

 

和田明日香さん:1987年4月17日生まれ。東京都出身。料理愛好家の平野レミさんの次男と結婚後、修行を重ね、食育インストラクターの資格を取得。テレビ、雑誌などへのオリジナルレシピ紹介、講演会、コラム執筆、CM出演など、幅広く活動している。3児の母であり、2018年にベストマザー賞を受賞。著書に『平野レミと明日香の嫁姑ご飯物語』(セブン&アイ出版)、『子どもは相棒 悩まない子育て』(ぴあ)などがある。

炊飯器を使えば煮込みもラクラク! 滋養たっぷりのサムゲタン粥。『和田明日香のほったらかしレシピ』(辰巳出版)より


“ほったらかしレシピ”は必要に迫られて生まれました


今年発売した2冊のレシピ本『ほったらかしレシピ』と『ほったらかしレシピ 献立編』が注目を集めている和田明日香さん。ちょっとした仕込みさえおこなっておけば、あとはほったらかしておけば1品できる、といった時短レシピ特集。生まれた背景は、やはり子育てと仕事が忙しく、少しでも料理の時間を節約したいという思いだったのでしょうか。

 

「実は“ほったらかし”というテーマは、出版元の辰巳出版さんから提案いただいたんです。『何か、ほったらかしておいてできるレシピはないですか?』と言われ、そう言われてみればいつも何品かのうち1品は、先に仕込んで後はほったらかしておく、というやり方をしていたなと気づいたんです。提案いただく前から、自然にやっていたレシピだったんですよね」

和田さんの毎日はとにかく忙しい。仕事は17時までと決めており、終わるとすぐさま子供を保育園にお迎え。スーパーで買い物して18時過ぎからご飯を作り始める。いつも、何とか19時前に食べさせることを目標に大慌てで調理をしているそう。

「子供を寝かせる時間から逆算すると、食事は30分ぐらいで作りたいところ。でも疲れているし、そんなに頑張れない。そこで、朝仕込んでおいたら仕事をしている間にできてあとは炒めるだけ、とか、具材を全部炊飯器に放り込んでほったらかし炊きしている間にもう1品作る、みたいなレシピを取り入れるようになったんです。そうすると、仕事が早めに終わったときも早く帰って準備をする必要がない。おかげで週に1回くらいは、お迎えまで自由な時間を持つことができています」

「思い切って取り入れてみると、生活にぐっと余裕がでるのが家電ですね」と和田さん。写真/アイロボットHPより

和田さんの時間捻出術は、料理においてだけではありません。その他の家事においては、最新ガジェットを積極的に取り入れているそう。

「一番助けられているのはお掃除ロボットのルンバです。実をいうと私は、専業主婦だった期間が長かったせいか、全てにおいて自分のやり方というものを作ってしまって。だからアウトソーシングを頼んだり、親に手伝ってもらうなど、誰かに家事をやってもらうことが好きではなかったんです。全部自分でやっていたのでかなりの時間を取られていたんですけど、夫が手伝っていて、「これ使えば?」とルンバを提案してきて。私は抵抗があったんですけど、そこは手伝ってくれる夫の負担が減るかなと思い取り入れてみたところ……、明らかに出かける時間が早くなったんです! そこからは、素直にいろいろな電化製品の力を借りることにしました」

他に取り入れたのは、大型の食器洗浄機。5人家族のうえ、日中もレシピ考案のため多くの調理器具や食器を使うため、1日2回フル活動だと言います。また、乾燥機付き洗濯機は1台ではなく2台設置。それまでは乾燥が終わるまで次の洗濯ができませんでしたが、2台にしたことで両立が可能に。洗濯終了も一気に早くなったそう。

「2台の洗濯機の上には板を渡して、その上で洗濯物をたたんでアイロンもかけています。そうすると洗濯スペースで全てが終わるので、ついつい寝室などに洗濯物を放置してしまう、ということがないんです。いつも山積みの洗濯物が視界に入って自己嫌悪に陥っていたので、洗濯機を2台にしたことは時間もさることながら、ストレスを大幅に減らしてくれましたね」

ストレスといえば、子供が片付けないことを叱ってイライラしている時間も、意外と時間のロスにつながっていたりするもの。そこで和田さんが使ってみたのが、フライングタイガーで買ったメッセージマンというガジェット。

「これはメッセージを録音できて、光が当たるとそのメッセージが再生されるというものなんです。子供が、使った工作道具を引き出しの中に戻さないのに腹が立っていつも叱っていたので、『これだ!』と思って。引き出しの中に置いて、子供が引き出しを開けたら『使ったものは片づけなさい!』という私の声が流れるようにしているんです。まあ簡単に録音できるので、すぐに子供に上書きされてしまうんですけどね(笑)。でも、遠くから『片づけなさい!』と叱っている自分の声が聞こえてくると、すごくバカバカしく感じて。何をそんなにイライラしているんだと客観的になれて、あまり腹も立たなくなったんですよね」

 
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