女性ファッション誌などを手がける編集ライターとして活躍する一方、愛情溢れる食卓のレシピを綴ったインスタグラムでは、なんと現在16万人以上のフォロワーをもつarikoさん。家庭料理でいながら、ひと味もふた味も違うarikoさんの人気レシピの”美味しさのコツ”がまとめられた書籍『arikoの美味しいルーティン』がこのたび発売されました。そこで、忙しいときにこそパパッとつくれて大満足!なarikoさん流レシピから、その”美味しさのコツ”も一緒に、ミモレに教えていただきました。
忙しいときこそ美味しいものを食べたい
「『どうして、忙しい時にもちゃんとご飯を作れるのですか?』と聞かれることが度々あります。仕事に追われているときや疲れてへなへなのとき、もちろん私も“手抜き“をしています。料理を作る余裕がない時には、素材に頼る、市販のお惣菜を使う、といったことで乗り切っています。
頼りがいのある素材、というのはいつもより少し贅沢なもの。それ自体が美味しいから、料理に手間をかけなくても済みます。忙しく頑張った日こそ、美味しいものでほっとしたいと思うんです。そんなとき、いい素材であれば、パパッと作ったものでも家族の満足度が下がることはありません。そういうレパートリーが2、3点ほどあると、忙しいときにとても助かります。
素材に頼れば、家族も満足の1品が完成!
そんな素材頼みのメニューのひとつが「タリアータ」。
いい牛ステーキ肉を見つけたときはこちらを作ります。失敗しないコツは、厚すぎない赤身肉を選ぶこと。よりいいものを、とぶ厚いステーキ肉にすると、火入れ加減が難しくなってしまいます。それはプロにおまかせして、家庭で焼くなら厚さ1.5〜2㎝くらいのものがおすすめです。
また、霜降りのサーロインなどを使うと冷めたときに脂が固まって美味しさが半減してしまうので、赤身のお肉のほうがむしろいいと思います。4人分なら、大きめのもの2枚(300gほど)で十分です。
「焼くだけ」だからこそ気をつけたいこと
作り方ですが、牛肉には全面に塩小さじ1/2、こしょう少々をなじませます。フライパンにサラダ油大さじ1と牛肉を入れて中火にかけ、こんがりとした焼き色がつくまで焼いたら裏返します。両面に同じような焼き色がついたらフライパンから取り出し、アルミホイルに包んで10分ほど休ませます。
10分ほど休ませると余熱でちょうどいい加減に火が入るうえ、肉汁が落ち着くのです。焼き上がったと思ってすぐカットしてしまうと、肉汁が流れて美味しさが逃げてしまいます。さらに、肉の切り方も大事なポイント。ななめのそぎ切りにすると断面が大きくなり、薄めのステーキ肉でも食べごたえがしっかり出るのです。
お肉を休ませている間に食卓を整え、付け合わせの野菜を冷蔵庫から出します。
付け合わせから作っておきましょう
付け合わせとして、ルッコラやハーブミックスなどのサラダを添えれば、彩りもよいひと皿になります。美味しさのためには、葉物類は必ず水につけてください。ちょっとでも水にさらすとパリッと元気になるので、これはぜひ!
水を吸い込んだ野菜はキッチンペーパーに包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ入れておきます。そのあとにお肉を焼けば、食べるころには野菜がシャキッとしています。キッチンペーパーが余分な水分を取ってくれるから水切り器も必要ないし、何よりも野菜が美味しいと奮発したお肉も引き立ちます。
お肉と野菜を盛り付けたら、薄く削ったパルミジャーノ・レッジャーノ、塩と粗挽きの黒こしょう、オリーブオイル、そしてバルサミコ酢をかけて仕上げるのがわが家流です。ちなみに、このバルサミコ酢はとろみのある長期熟成タイプがおすすめ。旨みが強い赤身肉のソースにぴったりです」
帰宅が遅くなってしまう日は、こんな素材頼みの一品はいかがでしょうか。
『arikoの美味しいルーティン』
著者 ariko 224ページ/1400円
読むだけで、今日から料理の味が変わります
写真だけじゃわからない、arikoさんが「美味しい」のためいつもしている、“料理のコツのコツ“を集めました。たとえば……「ドレッシングはお酢多め+油少なめ」「生姜焼きもハンバーグも冷たいフライパンからスタート」「鶏ささみは砂糖でしっとり柔らかくさせる」「ナポリタンは麺のゆで汁でしっとり」「ひき肉は酒を含ませてジューシーに」などなど、目かウロコのコツで、毎日のごはんはもっと簡単に、もっともっと美味しくなります!
撮影/福本和洋
スタイリング/YUKO(+ydesign)
構成/首藤奈穂
第2回「野菜が食べたいときは副菜のレパートリーがあれば簡単」は1月4日公開予定
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