40歳という節目で、女性は自らの生き方を振り返るものではないでしょうか。

「こんなはずじゃなかった」と後悔しても過去は変えられず、心も身体も若い頃には戻れない。

これは立場の異なる二人の女性が、それぞれの人生を見つめ直す物語。

これまでの話
女性誌のエディター・進藤早希は未婚独身で40歳を迎える。年下のカメラマンに心惹かれるも若いライバル登場で意気消沈。仕事に邁進しようと誓った矢先、編集長から望まぬ人事異動を知らされた。またモラハラ夫に悩む親友・美穂のスマホがずっと圏外であることも早希を悩ませる。
 


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「母親こそ勝ち組」 独身・妻・ママ...マウンティングを仕掛けたのは誰?スライダー1_1
「母親こそ勝ち組」 独身・妻・ママ...マウンティングを仕掛けたのは誰?スライダー1_2
「母親こそ勝ち組」 独身・妻・ママ...マウンティングを仕掛けたのは誰?スライダー1_3

 

『早希へ。この前はひどいこと言って本当にごめんなさい、スマホが壊れて連絡できずにいました……』

何度かけても圏外だった美穂からようやく連絡があったのは、共通の友人・絵梨香に様子を見てきてもらって5日が経った後だった。

人気のまばらなオフィスで、進藤早希はホッと胸をなで下ろす。

絵梨香は「美穂はまだモラハラの現実を受け入れられてない」「もう少し時間が必要かも」と言っていた。こうして美穂のほうからメッセージが届いたということは、少なからず心の変化があったのだろうか。

美穂と会って話したことは、絵梨香にとっても自分自身を見つめ直すきっかけになったようだった。

「実はセックスレスなの」と、長年の秘密を突如カミングアウトした絵梨香。その表情はどこかスッキリとして見え、普段の360度完璧な彼女とは打って変わって別人のように肩の力が抜けていた。

二人がどういうやりとりを交わしたのか、詳細は知らない。だが絵梨香にとってそうであったように、美穂にとっても琴線に触れる瞬間があったのかもしれない。

――絵梨香にお願いして正解だったな。

安心の笑みを漏らしそっとスマホを閉じる。その時、急に後ろからトゲのある声がした。

「進藤。お前、ウチの雑誌にくるんだって?」

【写真】アラフォー女性編集者の日常
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