二度目のステイホームウィークが始まりました。ミモレでは家で過ごす時間を楽しくするためのアイデアをまとめた記事のうち、特に人気があったものをご紹介します。よろしければぜひご覧ください。元記事は1月31日に公開されたもので、紹介されている情報等は公開当時のものです。

ミニマルな私服コーディネートが人気のファッションエディターの昼田祥子さん。昨年山形に移住し、仕事柄何百枚とあった洋服が、断捨離を行った今ではトータルで50枚弱まで厳選されたそう。そんな昼田さんに、断捨離をはじめたきっかけや、断捨離していくなかで生まれた悩みなど、クローゼットが完成するまでのお話をうかがいました。

 

以前の私は、ファッションエディターという職業柄、洋服をたくさん持っているのが当たり前、所有していること自体が楽しい、と思っていて。クローゼットは洋服でパンパン、追加のラックを2、3本使うくらい、大量に所有していました。

そもそも“断捨離しよう”という気もなかったのですが、両親がメルカリにハマっていて、親世代でも簡単に出来るなら、と興味を持ったのがきっかけ。サイズが合わないものやいらないものから、少しずつ手放していきました。

 

メルカリきっかけで断捨離をスタートした昼田さん。ですが、これでスッキリ!とはならなかったそうで……

最初は、服を減らすことへの不安もあったし、ハイブランドのもの、高価なものなど、着ないのに捨てられないものがたくさんあり……私は服に何を求めているのか、捨てられない理由を自問自答しました。迷いつつ、考えつつも、このことが自分と服との関係性、服との距離感を見つめ直す時間になりました。


そんななかで、値段やブランドにとらわれず、自分にとって心地よいアイテムだなと改めて感じたのが「シャツ」。シャツを着ていると安心するし、毎日着ても飽きない、と気付いたんです。私のワードローブの基準は、“安心する、落ち着く服”だったんだ、と。トレンドの洋服を着るワクワク感とは少し違うけれど、親友が見つかったような気持ちでした。

そんな私なりの基準が見つかってからは、クローゼットをどんどんデトックスしていきました。買い足しても失敗しなくなったし、何回着ても飽きない、マイベーシックを見つけられるようになっていったんです。


さらに昼田さんの断捨離に影響を及ぼす大きなきっかけが、稲垣えみ子さんの『人生はどこでもドア:リヨンの14日間』という本の中にあったそう。

 

こちらは稲垣さんが2週間リヨンに行き生活したことを綴ったエッセイです。リヨンの女性たちは毎日同じ服を着ているのにおしゃれでかっこいい、という話があって、

自分に「一番似合うもの」は一つしかない。それを着たらいいじゃんよ。それをしているからリヨネーゼたちはおしゃれなのだ。なのに、なんで私、(中略)どうして「二番目に似合うもの」「三番目に似合うもの」をわざわざ持ってきたのか?答えは明らかで、あれこれバリエーションをつけることで「おしゃれな私」を人様に印象づけようと考えていたのである。(中略)私ってなかなかおしゃれでしょ、みたいな自負が、なんともブヨブヨとみっともないのである。
(稲垣えみ子著「人生はどこでもドア:リヨンの14日間」より引用)


という記述を読んで、頭を殴られたような感覚でした。とはいえ毎日同じコーディネートを着ることはできないですけどね(笑)。振り返れば、服の数と同じくらい自分を覆っていた、見栄やプライド、かっこつけたい自分……そんな余計なものを服と一緒に捨てたって感じなんです。断捨離する前の私は、分厚い衣がついたエビフライみたいで、服(衣)に頼って自分を大きく見せようとしていた、かっこ悪い自分だったなと思います。本来のエビとしての姿を受け入れた今は、一番似合う服だけを着ていたい、と思うようになりました。2番目、3番目に似合う服はいらないなと。

断捨離したおかげで、生き方も考え方もまるっきり変わった気がします。今では毎朝開けるのが楽しみになる、”好き”だけが100%詰まったクローゼットになりました。毎朝開けるたび、本当にワクワクするんですよ〜!

 
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