自粛期間にお届けする、Hirokoさんの映画ブログも調子に乗って三回目。
今回は、フランス料理をたっぷりと堪能出来る、目にも心にも美味しいフィーリンググッドムービーをご紹介致しましょう。

フランスのアイコン、ステファーヌ・オードラン
本題に入る前に、ちょっと待った!フランス映画界きっての伝説的なミューズ、ステファーヌ・オードランさんについて、一言二言言っておかなければなりませぬ。

フランスの大御所女優といったら、皆さんはカトリーヌ・ドヌーヴやジャンヌ・モローを思い浮かべるでしょうか。

この方は、何故か、日本では、さほど目立たぬ存在でありましたが、フランスでは、絶大な人気を誇る、アイコン的な女優さんなのですね。

ミモレ世代の頃のオードランさん。出典:unifrance

偶然にも、今回私が選んだ五本のうち、二本に主演していらっしゃいます。

全く違う年代、スタイルを、見事に演じ切る能力は言うまでもなく、その美貌と、自由で自立したパーソナリティに、共演者の誰もが恋をしてしまった、というのは有名な話。

『男と女』で有名な、ジャン・ルイ=トランティニャンとの結婚と離婚、巨匠クロード・シャブロル監督とは公私を共に歩んだパートナーシップは何とも華やか。

晩年もトレードマークの前髪のあるボブヘアで。ターコイズブルーのアクセサリーが楽しげ。黒のケープにくっ付いている、犬の毛もお構いなし!な気さくさが良い。出典:unifrance

ファッションでも洗練されたスタイルが際立ち、雑誌では数々の特集が組まれました。クロエ2018年の秋冬コレクションでは、彼女にオマージュを捧げてのデフィレが行われたように、ご本人亡き後でも、いまだにトップメゾンにインスピレーションを与え続ける影響力は絶大。

これほどまでにパリシックを体現した女性は、そうそう居るものではありません。

こちらがクロエ2018AWの模様。このセットで全部欲しい!オードランさんは公私ともにクロエの服を好んだそうだ。保守的なブルジョワ階級の女性が、時に醸し出すデンジャラスな魅力。そんな破壊力が、彼女にはあったんだとか。出典:Fashion Network

それでは皆さん、本編をお楽しみ下さい!
(サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ~)

【バベットの晩餐会】
ガブリエル・アクセル監督作品。デンマーク映画。アカデミー外国語映画賞、英国アカデミー外国語作品賞、ロンドン映画批評家協会賞、他多数受賞。

フランス版ポスターの、このシンプルさが良い。本の装丁の様な作り。これを見ただけで、良い映画の香りが漂ってくるよね。出典:unifrance
バベットが料理の際に使う道具も見もの。この方がステファーヌ・オードランさん。彼女の気品あふれる所作を見習いたい!出典:unifrance

当時はここまでガストロノミーを芸術的に撮った映画は少なかった、と思います。そういう意味でも、伝説的な作品。物語性、映像美も素晴らしく、主演のステファーヌ・オードランさんの美しさが光る。家族でも、一人でも楽しめる、不朽の名作。
仏題はLe Festin de Babette 1987年公開、1時間42分。

 

【パリのレストラン】
ロラン・ベネギ監督作品。フランス映画。パリの老舗レストランで繰り広げられる人間模様。原題は、ベネギ監督のご家族が経営される、パリ9区にあるビストロと同名で、監督の自伝的作品でもある。

名優ミッシェル・オーモン氏がシェフを演ずる。こんな感じの料理人、居るよなぁ~。出典:unifrance
別バージョンのポスターも可愛い。出典:unifrance

この映画が公開された当時、私はまだ日本に住んでいましたが、この作品の風景に心から憧れ、渡仏への想いを募らせていました。美味しい料理と、馴染みの面子との会話に、身も心も癒される。誰にでも、そんな贔屓の店があるのではないでしょうか。
『バベットの晩餐会』にも主演をした、ステファーヌ・オードランさんが登場。こちらでは思いっきり美しいパリマダムに。
仏題はAu Petit Marguery 1995年公開、1時間35分。

 

【匿名レンアイ相談所】
ジャン=ピエール・アメリス監督作品。フランス映画。セザール最優秀女優賞ノミネート、トライベッカ映画祭最優秀フィクション賞受賞、2011年フランス映画祭横浜観客賞受賞。

イザベル・カレーとヴァンサン・ポールボールド。二人の芸達者がタッグを組んだら、面白くない訳が無い。ミモレ世代を代表するフランスの俳優といったらこの二人。出典:unifrance
今は飛ぶ鳥を落とす勢いのお二人、ピエール・ニネ(左)とスワン・アルロー(右)のお二人も、当時は脇役で登場している。出典:unifrance

天才ショコラ職人の女性と、老舗ショコラティエの社長が出遭い、恋に落ちるが、二人は極度のアガリ性だった!
たまにあるあるの、トンデモな日本語タイトルはスルー致しましょう(こっそり)。原題は、パリに実在する、アガリ性の方達が匿名で集まり、仲間との会話をとおして、症状を克服するというセラピーのサークル名。アメリス監督自身が、実際に通っていたそうで、この作品を作るに至ったというのが面白い。ブノワ・ポールボールドが歌うシーンが素晴らしく、胸を締め付けられる。
仏題Les Emotifs anonyms 2010年公開、1時間20分。

 

【ジュリーとジュリア】
ノラ・エフロン監督作品。アメリカ映画。ゴールデングローブ主演女優賞受賞(メリル・ストリープ)。90年代に実在したアメリカ人の料理研究家、ジュリア・チャイルドと、現代のNYに実在する料理ブロガー、ジュリー・パウエル。二人の実話をベースにした、とってもチャーミングな作品。

エイミー・アダムスのはまり役。彼女の魅力が前面に。変なプリンセスを演じるよりもよっぽど良い。一気にファンになった。出典:unifrance

二人の共通の情熱は、フランス料理。美味しそうなお料理のシーンを、90年代のパリと、リアルなニューヨーカーのライフスタイルで垣間見れるのが面白い。パールがトレードマークの二人の、ファッションにも注目♡
米題Julie & Julia 2009年公開、2時間3分。

 

【大統領の料理人】
クリスチャン・ヴァンサン監督作品。セザール賞最優秀女優賞ノミネート(カロリーヌ・フロ)。

主演のカロリーヌ・フロは、フランスを代表する大女優。映画、TVに芝居で引っ張りだこ。コメディーもシリアスもこなす才女。日本でも公開された、『ルージュの伝言』では、カトリーヌ・ドヌーヴとの競演が記憶に新しい。出典:unifrance

『恋愛小説が出来るまで』(1990)で、ヴァンサン監督の名前を覚えている映画ファンの方も多いのではないでしょうか。オリジナルポスターがとってもお洒落で、高いお金を出して買ったものです。当時は、agnès.bなんかに代表される、フレンチカジュアルが全盛期でしたし、フランス映画も沢山配給されていた、日本ではちょっとしたフランスブームがありました。

『恋愛小説が出来るまで』のポスターは、ほくろ占いになっているんです。口元~アゴあたりにほくろがある人は、「恋愛に消極的La Discrète」らしいです。出典:unifrance

今ではこんなに立派な作品を作る様になったのですね。お互いに年をとったもんだ。という、極私的な感動は置いておいて、こちらも実話がベースの、史上初の女性料理人として、ミッテラン大統領に二年間仕えた、ダニエル・デルピュシュさんを描いた良作。エリゼ宮の台所事情を覗いてしまおう!という興味深い作品でもあります。
仏題Les Saveurs du palais 2015年公開、1時間36分。

フランスでは昨年10月末から、コロナ禍による飲食業界の営業自粛が続いており、カフェやレストランの無い生活は、実に淋しいものです。

大勢でテーブルを囲み、美味しい食事と楽しい会話を堪能出来る日が、いつの日か戻って来る事を夢見て。飲食業界の方々に、愛と敬意を込めて、本日のブログを捧げます。