フードジャーナリストの小松宏子さんが、最新の食のトレンドを紹介します。 

日本人って、ほんとうに餃子が大好き。嫌いな人って、まずいないでしょう。でも、作るのはちょっと面倒。そう思っている方も多いはず。そして、市販の冷凍餃子もなかなかよくできているんですよね。だからこそ、取り寄せるなら、技ありの逸品を取り寄せたいものです。今回選んだ3品は、どれも本当に美味しくて、ほかにはない、こだわりの品々。いずれも、添加物不使用、化学調味料も一切使っていません。試して納得のお味です。

「ヤザワミートのぶた肉餃子」文句なしに美味しいイチ押しの羽付き餃子
2人前10個¥1200

 

 

ミート矢澤といえば、肉汁たっぷりのハンバーグで有名な、肉好きにはおなじみの名店ですが、その母体である精肉卸ヤザワミートのオンラインショップで販売の餃子も負けじと肉汁たっぷり。丁寧に説明された作り方の通りに焼くと、完璧な羽根つき餃子のできあがり。添付のしょうがだれをつけて、がぶりとかじると、口いっぱいに肉汁があふれます。思わず、もう1個、もう1個と手が止まらなくなること請け合いです。

 

なぜ、そんなに、肉汁たっぷりなのか。その秘密は、この餃子のためだけに仕入れる国産豚のウデ肉を、噛みごたえのある、ごろっとした大きさに刻んでいるから。ウデつまり前足は、運動量が豊富なため、筋肉が発達しており、旨み分を豊富に含んでいます。だから、ミンチにするには最適の部位なのです。中身の野菜も試行錯誤の結果、白菜とニラのみとあえてシンプルに決定。にんにくを使用していないのもあっさりしていて、いくつも食べられる所以。これを食べれば、餃子愛がマックスになること間違いなしの逸品です。

 

美勢商事「国産野菜のベジ餃子」ヴィーガン認証も取得した野菜たっぷりの餃子
12個430円(税込み)

 

野菜だけの餃子と聞いて、正直、満足感があるのかな?と半信半疑でした。ところが、いただいてみると、「え?これ、本当にお肉が入っていないの?」と驚くほどの満足感と美味しさではないですか。

 

その秘密は?と尋ねたところ、歯応えを増すために、キャベツの一部は乾燥させた干しキャベツにして使用していること。また、通常、餃子というのは豚脂で結着させるものですが、つなぎにマッシュポテトを使って、ボリューム感を出していることも理由です。皮にはほうれん草を練り込んで緑色にと、こだわりが随所に。研究を重ねた結果、これならいけると、自信を持って発売にいたったそうです。
発売元の美勢商事は信州、塩尻にある“まじめに餃子を作っている会社”。皮は国産小麦「はるゆたか」などを使用し、中身のキャベツ、ニラ、白菜などの野菜の多くは自社農場で無農薬で育てているから、安心安全。2月半ばには、オーガニック認証もとったバージョンアップ商品も発売予定。厳密なベジタリアンであるヴィーガンの方がOKなのはもちろん、ちょっとダイエットしたい、野菜不足が気になる、という方にもおすすめです。

「アグレボヘルスフーズ」
猪肉餃子 〜ローズマリー&黒胡椒〜 鹿肉餃子 〜カトルエピス〜ジビエ×フランス料理の発想で生まれた変わりだね餃子

各8個入り¥1100

 

自身もハンターで、ジビエ料理を供する一ツ星レストラン「ラチュレ」の室田拓人シェフが、九州を拠点にジビエを中心とした食品販売を行う新しいフードブランド「アグレボヘルスフーズ」と共同で開発した、ジビエの餃子。スパイスを効かせた、レストランならではの味わいが魅力です。

 

そもそも室田シェフは、仕留めた命に報いるには、一頭丸ごと余すことなく美味しく食べてあげることだと言います。その信念を見事に生かして出来上がったのが、こちらの餃子です。

 

かたくて料理には使いにくいウデ肉やスネ肉などを有効利用するには、ミンチにするのが最適。さらに、ジビエが苦手な人でも餃子なら食べやすいに違いないとシェフは考えました。同シリーズには同様の理由でハンバーグもあります。そんなシェフの意識の高さとアグレボヘルスフーズのジビエをより広く一般に広めたいという意向が一致し、一気に話がまとまり、商品開発、昨年12月には発売となりました。
「せっかく作るのだから、フランス料理店でなければ出せない味を表現したい」と、猪肉と鹿肉の特性に合わせて、多彩にスパイスを使いこなしました。猪の力強い味わいにはローズマリーを合わせた華やかな仕上げに。あっさりとした鹿肉には黒胡椒やクローブなどを合わせたフランスのミックススパイス「カトルエピス」がよく合ってちょっと洋風な味わいに。ひと味変わった餃子を食べてみたいという方にぴったりです。

文/小松宏子
構成/藤本容子


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