当たり前のことですが、地震の被害を最小限にするためには、部屋の中で何もないスペースを確保することが重要です。家のスペースには限度がありますから、現実にはなかなか難しいと思いますが、一部分だけでも倒れてくるものが何もない場所を作っておき、地震の時にはそこに移動するクセを付けておくとよいかもしれません。筆者が今、住んでいる家にも、ごくわずかですが何もない場所が確保してあります。

これは防災情報などでもよく言われることですが、地震後に家が歪んでドアや窓が開かなくなることがありますから、大きめの工具を用意しておいた方がよいでしょう。繰り返しになりますが、被災時にケガは大敵ですから、ガラスの破片などで足を傷付けないよう、揺れが収まったらまず最初にスリッパなど履物を探すようにしてください。

地震から一夜明けた2月14日、割れた食器などを片付ける福島県いわき市の居酒屋店。写真:ロイター/アフロ

地震が発生した時に外に出る行為については賛否両論があるようです。倒壊による被害を防ぐという点では意味があるのかもしれませんが、基本的に筆者はやめた方がよいと思っています。宮城県沖地震ではブロック塀が倒れて下敷きになる事例が多く見られましたから、外は危険がいっぱいです。電線が切れて落ちてくる可能性もありますし、最悪の場合には陥没などのリスクもあると考えた方がよいでしょう。

 

もし自分が住む家の耐震性能が低い場合には、できるだけ早く耐震補強をするか、賃貸の場合には耐震能力のある物件に転居するしか根本的に倒壊を防ぐ方法はありません。倒壊を回避した上で、家の中で安全を確保するというのがベストです。

筆者の実家はマンションでしたが、地震直後、皆がベランダから顔を出して、お互いの安否を確認していました。声がけすると精神的に落ち着きますから、これはとても大事なことだと思います。水の確保についてはすでに多くの人が見聞きしていると思いますが、マンションの場合には停電すると基本的に水が使えなくなります(戸建てでも水道が止まってしまえば同じことです)。

マンションでは限界がありますが、とりあえず急場をしのぐ水があるのとないのとでは大きな違いですから、ペットボトルなどで一定量の水は常にキープしておいた方がよいでしょう。

ライトも必須です。可能であれば部屋の中心部に、停電すると自動的に明かりが付くタイプの非常用照明を付けた方がよいでしょう。夜間に地震が発生した場合には、懐中電灯にたどり着くまでが大変ですし、ケガをするリスクも高くなります。非常灯が自動的に光るようになっていれば、被災直後の安全性は格段に高まるはずです。

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