子どもの「そのまま」を受け容れると本質が見えてくる


何年もかかって子どもの言動の本当の意味、メッセージにたどり着き、自分の「怒り」を受け容れ、心を癒し始めました。彼の「そのまま」を「受け容れられる」ようになり、「つながり」始めたことで、子どもの癇癪や乱暴さが減り始めました。

そして、それと反比例するように彼の本質、才能、素晴らしさがどんどん見えてくるようになりました。子どもの本質と「つながった」上で「ダメなものはダメ」「いけない」と伝えることが必要だったのだとようやく理解できたのでした。

その数年後のある日、彼が、泣き叫ぶ赤ちゃん、癇癪を起こしている小さな子どもに、「僕もあんな風に泣いていたよね。あの赤ちゃんも何か理由があるんだね」とすっと寄り添う場面を見ました。

彼は、自分は「そのまま」受け容れられていたと感じていて(私は「受け容れよう」と必死で、それができたと思えていないのですが)、「怒ることや泣き叫ぶことが悪いことではなく、そうする理由がある」と思っている。だから自然に、他の人の感情にも寛容でいられるのではないかと推察しています。

 

自然な寛容さや包容力がある大人にヒアリングすると、「子どもの時はすごくやんちゃで親は大変だったらしい」「本当に怒ったり泣いたり、すごかったよ!」と笑って答えてくれることが多くて、案外その推察は当たっているのではないでしょうか。人は自分が「受け容れられている」と感じられると、自然に人にも「寛容」になるのだと、今の彼や周囲を見ていて思います。