“もう現世では無理”にならないために。
ミドル世代のセカンドキャリアとは

 

定年制が残っている企業でも、実際には裕子さんのように、40代、50代という年齢で組織内に居場所がなくなったり、会社から突き放されることは珍しくありません。懸命に会社に尽くしてきたミドル世代、「もう無理かも……辞めたいな」と思った時、自己否定に陥らないためにはどうすればいいのでしょうか。

 

「特に会社員の場合、できる努力はある程度した上でうまくいかないなら、それは決めた人(会社)の責任。仕組みの問題。私、いつも言ってるのよ、“最後は他責でいい”って。“自分次第”とか“自己責任で”とか言われるけどさ、それって組織によるやりがいの搾取でしょ。個人の努力で無理やり現場を回しても、それによって改善されるべき仕組みが改善されないかもよ。大人なんだから俯瞰して考えて、“これは私がやるべきではない”という線引きは自分でしていい。
それにね、50代くらいからは“貢献世代”だと思ってるの。何かで誰かに貢献しようと思ったときに“やりたくないこと”を通じてよりも、“やりたいこと”を通じてのほうがよくない? 何度も言うけど人生の時間は限られているんだから、それをどう分配するかは自分でしっかり決める。新しいことを始めるために、まずはいらないものを捨てたらいいのよ。脳みそだけじゃなくて、自分の体や心の声をききながら

やりたくないことで余白が埋め尽くされてしまうと、「“やりたいけど時間がない”“もう現世では無理”と来世持ち越し案件になっちゃう」と紫乃ママ。これまで頑張り続けてきた40代、50代が、残されたこれからの時間をどう使っていけばいいか、昼スナックを舞台に繰り広げられる働く女性たちと紫乃ママとのやりとりには、貴重なヒントがたくさん詰まっています。

 

『昼スナックママが教える 45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』
著者:木下紫乃 日経BP 1400円(税別)

週1回だけ開店する昼スナックで客を迎えるのは、ミドル世代のキャリア支援を行なう紫乃ママ。自分の存在価値を見いだせない一般職47歳、突然リストラにあった中年転職バージンな55歳など、様々な背景を持つ女性たちの悩みに紫乃ママがズバリ回答。若い頃の頑張りがきかない、会社でのポジションが危うい、そんな不安を抱えるすべてのミドル世代に「もうひと花の咲かせ方」を紫乃ママが指南します!


構成/金澤英恵

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