コロナ禍で、他者と面と向かって会うことがすごく減っています。ご自身は、そうした状況で以前よりストレスが溜まることはありますか?

韓国では、今のところまだ外出そのものに対する制限はありません。ただ現時点(2月中旬現在)でも行政命令で5人以上の集まりは禁止されていて、学校や会社などのオンライン化がどんどん進んでいます。時に家族や親しい人たちと集まって余暇を楽しむ人たちもいるにはいますが、必要でない集まりは自制する雰囲気です。

私個人としては幸いなことに、こうした状況はそれほど辛くはありませんでした。でも、これは個人差が大きいですよね。外向的で人に会うことでエネルギーを得るタイプの人たちには、厳しい時期だと思います。私のような他者と距離を取りたいと思うタイプでも、完全に断絶した時間が続けば物足りなさや孤立感を感じることもあるし、「楽だけど、これが続けば社会性が落ちてしまうのでは……」と不安になる時もあります。電話やメールでなく、必ず会って話をしてきた友人とは、特に距離ができてしまう気がして切ないです。

 


この取材もそうですが、コロナ禍においての人間関係は、オンラインが主体になってしまいますよね。

今回のインタビューの予行演習で、数日前に友人とZoomを使って会話をしてみました。長らく会えていなかった友人ですが、携帯でメールでのやり取りよりもはるかに親密さを感じることができました。

その一方で、SNSの使用頻度は意識的に減らすようにしているんです。というのも、会えない人との関係を維持しようして、無意識にSNSにアクセスする回数が増えてしまっているんです。やるべきことがあるのに、誰が「いいね」を押したのか、どんなコメントを残したのかが気になって、集中ができなくて。SNSを主体的に使用するためには、周期的にそうした「デジタル・デトックス」の期間を持ち、情緒的な安定感を得ることも大事だなと思います。

『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離』より

でも私は、長期間会えなくても「また会う人には、会えるようにできている」という言葉を信じるタイプです。全員と仲良くしなくても意外と大丈夫だということを忘れないでほしいですね。もしかしたら、コロナ禍という障害が、本当に残すべき、より大切な関係を選別するきっかけになるかもしれないとも思います。