ダンシングスネイルさんは元美術療法士(アートセラピスト)でもありますよね。こうした状況下のストレスを癒すおすすめの方法はありますか?

まずはお子さんと一緒にできるシンプルな方法を紹介しましょう。触覚を柔らかく刺激して、安らぎを与える方法です。
ボールに「片栗粉」を入れ、ひたひたに水を入れて溶かします。そこに手を入れて触ってみると、片栗粉が固まったり、ばらけたり、とても気持ちいいです。遊んだだけで捨てるのはもったいないので、きれいに洗った手で遊んでから、料理の材料としても活用してもOKです。

同じような原理で、読み終わっていらなくなった新聞紙を破って水につけ、様々な色の絵の具を混ぜたり、ただ固めて壁に投げつけることでもストレスを解消できます。投げつける場合は片付けも考えて、お風呂場でやるといいですね。

中高生から大人向けの、もうちょっと難しい方法もあります。
まっさらな紙に、家にあるいろいろなペンや彩色道具で落書きをします。自分にストレスを与える人を思い浮かべながら、紙に怒りを表現してもいいです。できあがったら裏返して、最近の感情や気分、つらかったことなどを文章で書きます。書き上がったら、その紙をビリビリに破って下さい。ストレス解消になるよう、思いっきり。

破片になったら、落書きの面を表にして貼り合わせてゆきます。コラージュして何かの形を作ったり、ランダムに貼り合わせて抽象画したりすることで、元のネガティブな感情を別の形に昇華させることができます。一人でやってもいいし、家族と一緒にやったら、その後の気持ちを共有するのもいいです。

もうちょっと落ち着いた方法がよければ、曼茶羅の塗り絵をおすすめします。曼荼羅は仏画から生まれた図案ですが、教育や心理治療の道具として使用されることもあります。心を安定させる効果がありますよ。
 

 

<書籍紹介>
『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離』

ダンシングスネイル(著), 生田美保(翻訳)

大人になった私たちに必要なのは、人にもたれかからない、適当な距離。私が望み、選んだ、健康的な関係。『怠けてるのではなく、充電中です。』の著者最新刊! 日韓で多くの共感を呼んだ著者が語る、人間関係に疲労してしまった人のための「関係デトックス」。

取材・文/渥美志保
構成/川端里恵(編集部)

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