夫は、普段は仕事のあと毎日遊び歩き、育児もわたし任せ。それでも日曜日には家族そろって出かけ、子どもたちを野球に連れて行ってくれたり、かわいがってくれましたが、根本的な考えがまったく違う。価値観が違う。

毎日の暮らしの中で、少しずつ心が離れていった気がします。

この先一生、この人とひとつ屋根の下で暮らすことはないだろう、と思い始めたのは 40歳が近づいたころだったでしょうか。それでも、感情にまかせてすぐに離婚などしたら、子どもたちに悲しい思いをさせてしまう。わたしが暮らしてゆくことも不安です。わたしはこの先どうしていきたいのか、考え始めました。

別居にむけてお金を貯めること。子どもたちと離れずに暮らすにはどうすればばいいのか、と。

パートで得るお金が少しでも増えるように、出勤時間を調整し、稼働時間も増やし、服などの買い物もやめました。

あれこれと「将来の生活設計」を考えましたが、ちょうど長男の高校受験が迫っていて。受験を迎えて不安な気持ちになっている子どもを、母親のせいで動揺させるわけにはいきません。

翌年には次男の高校受験も控えていたので、次男が高校を卒業するまでは自分の気持ちはいったん抑えて、もう少し家族としてやっていこうと考えていました。

その半面、不仲になっても、中学、高校と多感な子どもたちの前でケンカはしませんでした。ただ高校生にもなればそんなことはわかるはず。ギスギスした雰囲気で明るくふるまっても、母親がしあわせそうではない姿を見せるのは、かえってよくないのでは、とも思っていました。

長男もいまは30代後半。月に1、2回会っています。