42歳の決意。 家を出て、花屋の2階へ引っ越し。


次男が高校に入学した年の夏休み、どうしてもがまんできない出来事があり、家を出ました。手元には、パートでこつこつ貯めた100万円と、結婚していたあいだにかけていた、夫の生命保険を解約した80数万円。

そして、結婚前の退職直前にもらったボーナスなどを貯めておいた貯金が100万円ちょっとありました。これは何かあったときのために手つかずで持っていました。

まずは生命保険の解約金で仕事に必要な車を買い、アパートを契約しました。買ったのは中古の小型車シビック。わずかな家具と、衣装ケース3つ分の洋服や身のまわりの雑貨を車に積み、残りは置いたまま、あたらしい部屋での暮らしがはじまったのです。

そのとき、わたしは42歳になっていました。

夫婦が離婚を前提に別居することになったとき、一般的には子どもたちは母親につくことが多いかもしれません。

わたしたちの場合は、夫の実家に義父と同居していたこと、夫が自営業を継いだこともあり、わたしが家を出ることにしたのです。

子どもたちにどうするか聞きましたが、もう高校生。生まれ育ったわが家のほうがいいだろうし、それぞれ自室もあったので、母親についていって手狭なアパート暮らしにつきあうこともないでしょう。かといって、子どもたちとこのまま離れてしまうことはできません。

そこで、どうすれば一番良いのかと考えました。いつでもすぐに行ける距離に住んで、わたしが元の家に毎日通って、家事や食事の支度をすればいいのだと。

そのつもりで部屋探しをしたら、手頃な物件が見つかりました。