「ワクチン接種が不安」独居の老親へ必要なものは説得ではない

新型コロナのワクチン接種を済ませている山田悠史医師が、みなさんからの質問に回答します。

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【質問】田舎に一人暮らしの高齢の母親がいます。ワクチン接種は不安だと言って受けたがりません。周りの人も受けないというのです。私たちの帰省も断るし、こちらにも出てきません。どうしたらいいでしょうか？

ご家族が「不安だ」とおっしゃる場合、途端に説得をはじめ自分の意見を押し付けるのではなく、まずはその不安を紐解き、寄り添っていただくことが大切だと思います。

「不安だ」という方の中にも、理由は様々にあるでしょう。お母様のご不安の理由は、十分理解できているでしょうか？

もしできていないという場合には、まずご不安の理由を率直に尋ねてみてください。実は、副反応の情報を勘違いされているのかもしれませんし、実はワクチン接種自体にではなく、ワクチン接種後に1人で過ごさなければならないことがご不安なのかもしれません。前者ならば、副反応を正しく理解していただく必要がありますし、後者ならばワクチン接種後に付き添ってあげることで不安の解決ができるかもしれません。

その上で、「不安に思っているのは母だけではなく自然なことだ」「身体を大切に思っているからこそ不安なのだろう」と理解を示し、気持ちを尊重する姿勢が大切だと思います。

例えば、身体を大切に思うからこその不安であれば、コロナに感染した時に身体がどのようになってしまう可能性があるか、ワクチンがどう身体を守ってくれるのかを丁寧に理解していただくことで、ワクチンの大切さがより理解しやすくなり、不安が軽くなるかもしれません。

このように、不安の心としっかりと向き合い、寄り添っていただくことが、まずは大切な一歩になるのではないでしょうか。

一朝一夕で解決することはないかもしれませんが、説得を試み、突き放すのではなく、ゆっくり時間をかけながら、その気持ちに寄り添っていただければと思います。からだを大切に思う気持ちは、きっと同じなのだと思います。
 

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