「リバースモーゲージ」で気をつけておきたいこと
西山:ただ、「リバースモーゲージ」が適用されるには、条件が厳しいという話も聞いたことがあります。どんなものでしょうか。
中村:確かに、物件や地域によりますね。不動産の評価に対してお金を貸してくれる仕組みなので、不動産の価値が高いことがポイントになります。ですので、首都圏にお住まいの方であれば、適用される可能性が高くなります。
フラット35という住宅ローンを扱っている住宅金融支援機構があるのですが、そこから出ている「リ・バース60」という「リバースモーゲージ」があります。
この「リ・バース60」を取り扱っている金融機関が増えてきたのと、「リバースモーゲージ」を金融機関独自に商品提示しているところも増えてきたので、利用される方にとっても選択肢が広がっていると思います。
片岡:少しずつ普及してきているということなんですね。
中村:「リバースモーゲージ」の審査は、住宅ローンの審査とも似ていますね。住宅ローンは、不動産の価値と契約者自身の収入という具合に、2つの評価から審査されます。
「リバースモーゲージ」は、不動産の価値の方に重きを置くことになるため、例えば地方で、坪単価が数千円といった地域の物件ですと、難しくなるわけです。
片岡:ちなみに、何か注意点はありますか?
中村:「リバースモーゲージ」には3つのリスクがあります。
将来、仮に不動産の価値が下落した場合、本来は下落する前の不動産の価値に対してお金を貸してくれている仕組みなので、銀行から「お金を一部返してください」と言われる可能性があります。
また、融資を受ける場合の多くは変動金利となるため、今後金利が上がると、毎月の利払い額が増えます。
そして、思った以上に長生きをした場合、不動産の価値に応じて貸してもらったお金では生活費が足りなくなり、返済できなくなってしまうリスクがあります。
念のため、これらのリスクを頭に入れておいてください。
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