今日という日をどれだけ大事にできるかで人生は決まる


年齢を重ねてなお津田さんが精力的に活動できる理由。それは、今この瞬間を楽しむ力が突出しているからでした。

「ものすごくポジティブなんです、僕は(笑)。生きていれば、すべてのことは何とかなると思う性格です。もちろんチャレンジは恐怖が伴うもの。知らないことに挑戦するのは怖いです。でも、どんな失敗をしても、恥をかいても、それが死につながることはそんなにないと思います。

50年近く生きていると、生というものが楽しいだけではないことはよくわかっています。でも、生きる苦しさやしんどさも全部含めた上で、楽しかったと言える人生を送りたい。いわゆる面白いという意味ではなくて、古典で言うところの“いとおかし”。“いとおかし”な人生を送れたら僕は大満足です」

そのためにも、今日という日を全力で生きることが、津田さんの人生哲学です。

「今日という日は、二度とない。そんな当たり前のことを人は意外と忘れちゃうんですよね。だからこそ、今日という日をどれだけ大事にできるかで人生というのは決まっていく。お芝居も100%納得できるものをつくることは本当に難しい。でも限りなく100%に近づけるよう努力することはできる。そう信じて、日々を重ねていくことが、充実した人生につながっていくんだと思っています」

今年から配信がスタートしたWOWOW開局30周年記念プロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム』で再び監督業に挑戦。やりたいことは全部やるという貪欲な姿勢は、50代になってもまったく衰えることはなさそうです。

そんな津田さんに自身の40代を採点してもらいました。

「まだまだ足りないので、50点にしておきます(笑)。頑張ってやってきたんですけど、でももっとボロボロになるくらいまでできただろうという思いもあるので。本当は40代で100点を出すつもりだったんですけど、50代に持ち越しですね。10年後、200点をめざして50代も1日1日を大事に過ごしていきたいです」

こんなふうに年齢を重ねたいと憧れる人の共通点。それは、今この瞬間を楽しむ気持ち。とびきりの1日が、とびきりの一生をつくるのです。

 

津田健次郎
1971年6月11日生まれ、大阪府出身。アニメ、吹き替えなどの声優業を中心に、舞台やドラマなど俳優としても活躍。主な出演作品に、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』『テニスの王子様』『ゴールデンカムイ』『呪術廻戦』、吹き替えでは映画「スター・ウォーズ」シリーズのカイロ・レン役などがある。2021年もNetflixオリジナルアニメ『極主夫道』主人公・龍役など、注目作への出演が多数控える。

 

 

<作品紹介>
アニメ『どすこいすしずもう』

 

もしも、おすしがすもうをとったら……? そんな奇天烈な発想からうまれたアンマサコによる人気絵本をアニメ化。たまごのさと、おおとろやま、サーモンざくら、くるまえびぞうなど、個性的なすし力士たちの取り組みはどちらが勝つのか!? 大島美幸(森三中)、津田健次郎、濱健人、沢城千春、佐々健太ら豪華キャストも話題。tvk、チバテレ、テレ玉ほかにて、4月から放送スタート!
公式HP:https://sushisumo.jp/

撮影/塚田亮平
取材・文/横川良明
構成/山崎 恵