壮絶出産の末に夫が放った信じられない一言


そして訪れた臨月と、つらい気持ちのまま迎えた出産。

早朝に破水をし、すぐ入院となったBさんですが、そこからが地獄のフルコースの始まりでした。破水してしまったので赤ちゃんを外に出さなきゃいけない、でも分娩が進まない。陣痛促進剤が投与された後は激しい痛みに何度も嘔吐し、下からは羊水が出ていく。ベッドの上で、人がいる前で、汚い姿を見られてしまう。狭い陣痛室には窓もなく、赤ちゃんの心音をモニターするため機械に繋がれ、ベッドの上での身動きさえままならない。

出産というのは過酷なもので、決して綺麗なものではありません。経産婦なら知っていることでも、初産の人にはそれだけで心理的負担が大きいものです。

しかし何日かけても回旋異常があって降りてこない様子の赤ん坊。そしてとうとう3日目、やっと医師から提案された帝王切開。

夜、仕事帰りに様子を見にきた夫にそのことを伝えると、彼はこう言いました。

「経膣分娩じゃないと子どもへの愛情がつかないらしいけど、陣痛つらそうだし仕方ないよね」

だからBさんはお医者さんに「もう半日がんばります!」と言ったのです。

4日目の午前中いっぱい、限界まで陣痛に耐えたBさんですが、やはり産まれず緊急帝王切開することに。

突然、帝王切開に切り替わると、長時間の陣痛でボロボロの体で、陣痛に唸りながら煌々と照らされた手術台の上に全裸で乗せられ、背中に麻酔を打たれ部分麻酔で下半身を麻痺させて、そこでやっと術部が視界にはいらないようカーテンが引かれ、そしてお腹にメスが入り、腹部を押され引っ張られ、何か大量の液体が出ていく感触があって、そして子供の泣き声が聞こえて、カーテンの向こうから看護師さんが「おめでとうございます」と赤ちゃんを見せにきてくれます。

 

無事に赤ん坊の顔が見られて安心したというBさんですが、長期に及ぶ陣痛と手術でもう体は限界。赤ん坊を満足にその手に抱くこともできません。麻酔で意識朦朧としている間に病室に運ばれ、やっと眠れると思ったところにやってきた夫と義母。2人でうれしそうに赤ちゃんを抱っこして写真を撮り、そして夫はBさんに言いました。

「ねえ、今が人生で一番幸せでしょう?」と。

 


(次回につづく)
 

前回記事「結婚後「俺は男尊女卑だからな」と豹変した夫(しかも自己破産してた)」はこちら>>

 
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