ソニーミュージック×JYPエンターテインメントの合同オーディション『Nizi Project』(以下、『虹プロ』)から誕生した9人組グローバル・ガールズグループNiziU。12月のデビューからわずか4ヶ月の間に、ロッテ、コカ・コーラ、ソフトバンク、コーセー、ローソン、SHIBUYA 109、H&M、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど、多くの大手企業とのタイアップがスタートしています。

音楽番組はもちろんのこと、CMからも彼女たちの楽曲が流れ、まさに、「テレビをつければNiziUがいる!」状態。ここでは、NiziUに大手企業とのコラボが殺到する理由について考察していきます。


J.Y.Park氏が太鼓判を押す高潔さと人柄


『虹プロ』で、メンバー以上に注目を集めたと言っても過言ではないプロデューサーのJ.Y.Park(パク・ジニョン)氏。候補生にかける言葉のどれもが温かく、“アーティスト”としてだけではなく、“人”として大切なことを優しく語りかけていました。「先生になって欲しい!」「上司になって!」と思った人も多いのでは?

そんな彼が、JYPエンターテインメント所属のアイドルに語り続けている言葉が、「真実・誠実・謙虚」であること。「カメラの前でできない言葉や行動は、カメラのない場所でも絶対にしないでください」、「隣にいるみんなの短所を見ないで、長所だけを見て心から感謝すること」など、大人からしたら、「ちょっとハードルが高い……」と思ってしまうような言葉にも、NiziUのメンバーたちは、まっすぐな瞳で頷いていました。

また、J.Y.Pエンターテインメントは、“人柄”を重要視しており、メンバー選考でも、練習態度の評価に比重が置かれていました。つまり、約1万人から選び抜かれた9人のメンバーたちは、J.Y.Park氏も太鼓判を押すほどの人格者が揃っているということ。CMに出演し、企業の“顔”になるには、高潔さが求められるはずです。いくら人気や話題性があったとしても、素行に不安がある演者の起用は、躊躇する企業が多いのではないでしょうか。

NiziUの場合は、『虹プロ』で、“人柄”を重視した選考過程を見せたことで、企業だけでなく、視聴者も、彼女たちに「きっといい子なんだろう」という好感を抱きます。それが、結果的に購買意欲にも繋がる。グループ結成の時点ですでに高潔さが証明されているからこそ、企業からの信頼を得ることができ、オファーが殺到するのかもしれません。

 


一度聴いたら頭に残るキャッチーな楽曲


4月7日にリリースした両A面シングルは、収録される全曲が大手企業とのタイアップ曲です。「Poppin’ Shakin’」はソフトバンクの、「Take a picture」はコカ・コーラのCMソング。カップリング曲の「I AM」も、コーセー「メイク キープ ミスト EX」のCMソングに決定しています。

プレデビュー曲の「Make you happy」もそうでしたが、NiziUの楽曲は、一度聴いたら頭に残るようなキャッチーなものがとにかく多い。だからこそ、何気なくテレビをつけている人の目を、画面に惹きつけることができます。

また、時代にマッチした歌詞も印象的です。例えば、ロッテ「Fit’s」のCMソングに起用されたデビュー曲「Step and a step」は、コロナ禍で停滞し、焦りを感じている人々に対するメッセージのようなものが伝わってきました。

 

グループの好感度が高いだけでなく、楽曲の支持も厚い。だからこそ、シングルに入っている楽曲のすべてが、企業とのタイアップ曲……という凄い状況が生まれるのかもしれません。

デビューから1年も経たないうちに、一気にスターダムへとのし上がったNiziU。企業とのタイアップが増え、CMに出演するということは、必然的にファン以外の目にも多く触れることになります。有名になればなるほど、耳を塞ぎたくなるような声も聞こえてくるかもしれません。時には笑えなくなる日があるかもしれない。

けれど、プレデュー曲「Make you happy」の歌詞のように、笑顔を忘れても取り戻せる日が必ずくる。NiziUの楽曲や笑顔に勇気づけられる人がたくさんいるように、彼女たち自身も楽曲に勇気づけられながら、自分のペースで歩んでいって欲しいと思います。
 


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