食べるのが大好きな私にとって、買い物はそれ自体がレクリエーションのようなもの。週末はパン屋めぐりをしたり、デパートの催事に行ったり……そんな日常が一変したのが2020年でした。買い物に行っても目的のものだけ買って、さっさと帰る日々。毎年通っていた物産展も、混雑が怖くて行けずじまいでした。
コロナ禍が長引く現状、買い物に楽しみを求めるのは、まだちょっと難しいのかな……と思っていたところに耳にしたのが「最近の食材宅配は、こだわりの食材が届く!」という話。便利なだけではない、さらに一歩先の豊かさへ進化した食材宅配サービスを体験してみました。
 

 

イセタンドア
デパ地下の「人気の物産展」を独自開催!並ばず、混まずにネットでお買い物


まず、試してみたのが、三越伊勢丹の宅配サービス「イセタンドア」。私の周囲でも始めてみる人が続出のサービスです。
ベーシックな食材だけでなく、名店のお惣菜や伊勢丹新宿店でも人気のスイーツ、ちょっとめずらしい調味料など多岐にわたる商品が揃っており、サイトを眺めているだけでもわくわく……。

今回、私が注目したのは「おうちで旅するフランス」特集。

フランスをテーマに魅惑のフードやスイーツが集められていて、まさにデパートの催事のよう。何より混雑なし、行列なしで買えるのは、このご時世にはありがたいことです。

今回は「ダロワイヨ」のスイーツと、「ボルディエ」のバター、「ラボンヌテリーヌ」のテリーヌ、そして「レブレ」のキッシュを頼んでみました。


フランスがおうちにやってきた!
目玉はやっぱり「ボルディエ」のバター!

 

写真左から 有塩(¥1550)ボルディエがある、ブルターニュ産の海塩が練り込まれているのが特徴。海藻(¥1850)口に入れると豊かな磯の香り。食塩不使用(¥1550)味がついていないぶん、ミルク本来の味わいやコクを感じられます。

バター職人、ジャン・イヴ・ボルディエ氏が伝統的な手練り製法で3日間かけてつくるという、ボルディエのバター。フランスの三ツ星レストランやホテルなどでも使われている名品です。日本ではなかなか入手できない憧れのバターが食材宅配で買えるなんて……!という感動から、思わず3種類大人買いしてみました。
 

「ボルディエ」のバターで毎日の食卓が充実!

 

まずは定番ですが、バタートーストにしていただきます! 有塩バターを角切りにして、焼きたての食パンに。食をそそる塩味に、豊かなコク。かすかな酸味があり軽い味わいなので、バターたっぷりでも重たく感じません。これならいくらでも食べられてしまいそう。

ミシュラン東京で14年連続星を獲得しているフレンチレストラン「レザンファンギャテ」がプロデュースする「ラボンヌテリーヌ」のフォアグラとイチジクのテリーヌ(¥2200)も今回の楽しみのひとつ。

また、バゲット+バターに好みの食材をのせれば、それだけで立派な前菜に。テリーヌは、鴨のフォアグラの濃厚な風味となめらかな口当たりにうっとり。お昼からこんなぜいたくをしていいのだろうかと、罪悪感すら覚えます。

 

食塩不使用バターは「甘いもの」を組み合わせるのもアリ。金柑と栗の渋皮煮、どちらもほんのりミルクの風味がして、スイーツをいただくような満足感。

 

完全に余談ですが。無塩バター×明太子、海塩バター×しらすの組み合わせは、ごはんにもイケました。これこそおうちならではのぜいたくかもしれません。


混ぜて焼くだけのキッシュは、お店級のおいしさ

 

今回、手作りも楽しんでみたくて、「レブレ」の海老と帆立とオマールソースのキッシュ(¥1500)のキットも頼んでみました。
作り方は簡単で、ソースや具材を混ぜてパイ生地に流し込み、オーブンで焼くだけ。泡立て器もパイ型も不要です!

 

自分でキッシュをイチから作ったことがあるのですが、パイ生地をのばしたり、具材を炒めたり、それなりに手間暇がかかりました。でもこのキットなら、数分で準備完了、あとはオーブンにおまかせでOK。便利な時代になったもんだ……。

気になるお味ですが、魚介のうまみが凝縮したオマールソースが濃厚で、リッチな味わい。パイ生地もタルトのようなサクサク食感で、クリーミーなソースとのコントラストが見事です。何より焼きたての、ソースがとろっとやわらかいうちに食べられるのが最高! 家で焼くからこそ味わえるおいしさです。「こんな本格的なキッシュが作れるの……?」と家族からも驚きの声が(オーブンで焼いただけとは知らない)。ランチや人を招いての食事にぴったりのほか、ワインのおつまみにもよさそう。冷凍庫に常備しておきたい逸品です。


ダロワイヨの名品スイーツが美しい姿のまま食卓に

 

 

スイーツが充実しているのもイセタンドアの魅力のひとつ。パリの名店・ダロワイヨを代表するケーキ「オペラ サンク」(¥1200)。それが食べやすくカットされ届くありがたさといったら。人とぶつからないように慎重に持ち帰ることも、きれいにカットしようとナイフ片手に悪戦苦闘することもなく、オペラの美しい断面と、各層の味わいが織りなすハーモニーを楽しめます。
カラフルなマカロン(5個入り¥1000)も添えてみたら、いつものおやつ時間がカフェ風に。美しいスイーツは、やっぱり気分が上がります。

デパートでの買い物の醍醐味は、普段食べられないような珍しいものや、特別感のある商品と巡り会えること。その非日常感を家にいながらにして体験できるのが、イセタンドアの魅力。買い物に行く時間や手間を省ける分、おうちでゆっくり楽しむ余裕も生まれます。
 

イセタンドア公式HP>>



オイシックス
“名店の味”が毎月自宅に届くスペシャルな企画を実施


“お楽しみ”が用意されているのは、イセタンドアだけではありません。「オイシックス」も、人気店の看板メニューが届く「Oisixおうちレストラン」や、新鮮な海の幸や旬の野菜、フルーツなどを産地からお取り寄せできる「Oisix産直おとりよせ市場」など、ユニークな企画がいろいろ。


名店「シニフィアン・シニフィエ」のパンが自宅に届く喜び

 
 

私が申し込んだのは、世田谷にあるパンの名店「シニフィアン・シニフィエ」の頒布会。3カ月にわたり月に1回パンセットが送られてくるという企画で、定番商品と季節限定のパンが楽しめます(全3回/¥17940)。
なかなかの金額ではありますが、素材や製法にこだわった「シニフィアン・シニフィエ」のパンはもともと高価格。都内に2店舗しかないうえ、気軽に買いに行きにくい昨今、定期的においしいパンが届くというのは、パン好きにはうれしい企画です。
3月は国産小麦のバゲット2本、キャロット、グレープフルーツ&エルブ、セレアル、チャバタのラインナップ。
焼き立てのパンを急速冷凍したものが届けられ、自然解凍または凍ったままトースターで焼くと、お店で買ったものと遜色ない味が楽しめます。

バラエティ豊かなパンに大満足!

 

食べるにあたって重宝したのが、届いたパンに同封されていた「紹介状」。ひとつひとつのパンについて、素材の説明や、おすすめの食べ方が書かれています。せっかくなので、おすすめされたとおりにいただくことにしました。

3月の季節限定パン「グレープフルーツ&エルブ」は、グレープフルーツピールやラズペリーがふんだんに入ったパンで、ハーブの香りがさわやか。「紹介状」に従ってサングリアと合わせてみると、パンのフルーティな風味が際立って、なんともさわやか。これがいわゆるマリアージュというやつか……!

「野菜たっぷりのスープとの相性抜群」と書かれていた「キャロット」はにんじんのスープを添えて。もちもちした食感のパンを噛み締めると、口の中にじんわり甘味が広がって「にんじんってこんなに甘かったのか」と感動してしまいました。中に入っているレモンピールもいいアクセントになっています。

「チャバタ」には燻製さばと紫キャベツのピクルスを、「セレアル」にはトマトとチーズを挟んでサンドイッチにしてみました。
「チャバタ」は皮がパリパリで中はもっちり。口にすると素朴な小麦の味わいが広がります。ひまわりやかぼちゃの種など6種類の穀物が入った「セレアル」は香ばしさ満点。つぶつぶ、ぷちぷち、いろいろな穀物の食感が口の中で踊って楽しい!

最初は、こんなにたくさんのパンが来て、飽きてしまうかなと思っていたのですが、どのパンも食感や風味が違うため、まったくの杞憂でした。そのまま食べてもおいしいけれど、パンに合った食べ方をすることで、よりいっそう楽しめる、というのも発見でした。
おいしいパンがあると、いつもの朝食やランチもワンランク上がったような気がするし、料理のモチベーションもアップ。次回はまた違うパンが届くと思うと、来月が楽しみになります。
 

Oisix産直おとりよせ市場公式HP>>

 
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