食事のひと時をより心地よく豊かにするために、時間をかけて形づくられたものがテーブルマナーです。堅苦しい、面倒だと感じるかもしれませんが、絶対に守らないといけないのではなく、それを大切にしようという気持ちが、ともに食事をする相手を大切にすることに直結するものなのです。

マナーが大切なのではなく、相手を想うからマナーを大切にするのです。マナーに自信がないと、これでいいのかなと自分のことで精一杯になってしまいがち。マナーを備えているからこそ、周りの人を気遣う余裕ができ、目の前の人をもっと大切にすることができます。マナーには、サービスをしてくれるスタッフへの合図になっているものもあります。それにより、会話を途切れさせることなく、スムーズな食事ができます。さらに音をたてずにいただくのは、相手の話に心から耳を傾けられるからです。すべて、目の前の人との時間を大切にしたいと示す心遣いなのです。

 


著者プロフィール
髙田将代(たかだ・まさよ)さん:
ふるまいコンシェルジュ。国宝「當麻曼陀羅」を有する奈良の當麻寺に生まれ、1400年以上にわたって行事やしきたりが守られていることを、肌で感じながら育つ。大学卒業後、伊藤忠商事に勤務。その後、グレース・ケリーやジャクリーン・オナシスなども学んだフィニッシングスクール(ハイエンドな女性向けのマナー・エチケット・礼儀作法を学ぶ学校)に入学。幅広い教養を学んだ後、マナー講師となる。自身のスクールの他、東京、横浜、名古屋、福岡など各地で講座を開催。大学や専門学校、企業での研修も行う。「M エレガンスアカデミー」主宰。2020年ミセス日本グランプリファイナリスト。

 

『なぜか大切にされる女性になるマナーと心得56 オトナ女子のふるまい手帖』
著者:髙田将代 SBクリエイティブ 1540円(税込)

まわりから大切にされる大人の女性になるための56のマナーと心得を収録! 品よくエレガントに見えるオトナ女子の座り方、周囲も自分も気持ちよく過ごせる話し方、相手への敬意や思いやりを表現する装いなど、“美しい人の基本のき”をわかりやすく解説します。


イラスト/石川ともこ
構成/金澤英恵