義理の祖父を偲ぶ、キャサリン妃流ブラック・スタイル

ドレスコート/キャサリン・ウォーカー クラッチ/ジミーチュウ 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

キャサリン妃にとって、これが初めてとなる王室葬儀。もちろん洋服の色は黒。
胸元が優しくV字に開き、大きなボウがアクセントになったフィット&フレアーのドレスコートに、ヴェール付きのお帽子を。
黒のベルベットのクラッチにグローブ、パンプスと、全身ブラックでまとめられていますが、ストッキングの透け感や、ネックの開き、華やかなディテールにフェミニンなシルエットと、英国ならではの華やかさも上品にプラスされています。

全体のバランス、デザイン、ヘア、メークすべてにキャサリン妃らしく、とてもノーブル。これまでで最もエレガントなブラックスタイルでした。

 


エリザベス女王への敬意を表したジュエリーををチョイス

帽子/フィリップ・トレーシー ピアス、チョーカー/エリザベス女王のプライベートコレクション 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

ブラックスタイルに合わされていたのは、パールを中心にダイアモンドがあしらわれたジュエリー。ピアスもチョーカーも、共にエリザベス女王のプライベートコレクションから借りになったものです。

控えめなサイズのドロップ形のピアスと、ボリューム感のある4連のパールチョーカー。2つのジュエリーのバランスも良いですね。

実は、この4連のパール&ダイアモンドのチョーカーは、80年代初頭に日本政府からエリザベス女王へのプレゼント。繊細でハイクオリティなパールゆえに、4連でもとても上品で、襟元のデザインと見事に調和しています。

4連パールチョーカー、エリザベス女王(57歳当時)はどう着けていた?

1983年11月、バングラディシュを公式訪問されたエリザベス女王。写真:REX/アフロ

今回キャサリン妃がお借りになったチョーカーを、かつて女王は、このようにお着けになっていました。

赤をベースに紺やパープルなど、グラデーションのシークインが煌びやかなドレスにティアラ、そしてパールチョーカーと、それぞれに存在感があるものばかりを、こんなにもサラリと着こなされているのは、さすが生まれながらのプリンセスであり、女王!


義理の祖父の葬儀では、エリザベス女王のジュエリーを身につけることで、フィリップ殿下だけでなく、最愛の人を失ったエリザベス女王への敬意のお気持ちを込めていたキャサリン妃。
キャサリン妃が多くの人に愛される所以はこんな配慮にあるのでしょう。

構成/高橋香奈子、片岡千晶(編集部)

前回記事「英国王室に69年尽くした王配・フィリップ殿下「波乱と愛あふれる人生」」はこちら>>

 
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