皆さん、こんにちは。梅津奏です。

突然ですが、皆さんの精神年齢は何歳ですか?

自分の精神年齢はだいたい実年齢と同じくらいかなと思っていますが、よくよく考えてみると、自分という一人の人間の中に「妙に老成している部分」「妙に幼い部分」が混在しているような気がします。

精神年齢について考えるとき、頭に浮かぶ年齢の一つが「14歳」ではないでしょうか。「中二病」という言葉があるように、ある種記号化された年齢です。不安定で、繊細で、過剰。どの世代のどんな人にも、多かれ少なかれ「14歳な部分」はあるんじゃないかしら。

今日はそんな不思議な年齢、14歳を色々なやり方で描いた本をご紹介します。


「4TEEN」石田衣良

 

まずは、14歳を主人公にしたフィクションです。


自分自身の十代のなかで一番たのしかった年はいくつだっただろうか。高校時代は本ばかり読んでいて暗かった。やはり中学生がいいだろう。それも受験勉強が厳しい三年生でも、まだ中学に慣れていない一年生でもない。やはり底抜けにたのしかったのは、中学二年生十四歳のときだ。


あとがきで、石田衣良さんはこう書いています。129回直木賞を受賞した本作、主人公は14歳の仲良し男子四人組。友人の病気、不登校のクラスメイト、セックスへの好奇心、ちょっとした冒険。「早く大人になりたい」なんて一言も言わない彼らが、目の間の出来事に力任せの試行錯誤をぶつけていくまっすぐな物語です。


ぼくたちはみんな年を取り、大人になっていくだろう。世のなかにでて、あれこれねじ曲げられて、こうしていることをバカにするときがくるかもしれない。あれは中学生の遊びだった。なにも知らないガキだった。でも、そんなときこそ、今の気持ちを思いだそう。変わっていいことがあれば、変わらないほうがいいことだってある。


大人になった今だから、これが真実だということが分かる。でも14歳だったときに、今のままでいい部分が自分の中にあるなんて、思えたかな…。


「14歳の子を持つ親たちへ」内田樹・名越康文

 

二冊目はタイトル通り、14歳の子を持つ親たちへ向けた対談本。

哲学者・思想家の内田樹さんと、内田さんが「わが魂の主治医」と呼ぶ精神科医・名越康文さん。このお二人の名前が並んでいるのを見てしまったら、14歳でもなければ14歳の子供がいる訳ではない私も、買わない選択肢はございません。

名越先生は思春期の子どもたちについて豊富な臨床経験があり、内田さんも日本社会において子育て・教育が重要な課題だと考えていたことから、この対談が実現。とてつもなく面白く、引用したいところが沢山あるのですが、一番ぐっと胸が詰まったところを。


教育問題の根本には、「自分の意見をはっきり言いなさい」「個性的に表現しなさい」といった、「一義的でクリアカットなメッセージを発しなさい」という強制がある。そういうことを子どもに強制するのはほとんど罪悪だと思うんです。


学校でも職場でも、割とはっきりものを言って生きてきた私ですが、「それが求められている/評価される」という打算があってのこと。パーンと強い言葉を使ったり、口ごもる相手に「つまり?」をしたり顔で投げつけることで、こっそり加虐的な気持ちを楽しんでいたようなところもあると思います。


ディベートなんて、コミュニケーション能力の育成にとっては最低の教育法だと思いますよ。(中略)そんなくだらない世間知を身に付けたって、何にもならない。そんなことを何百時間やっても、自分の中にある「いまだ言葉にならざる思い」とか「輪郭の定かならぬ感情の断片」を言葉にする力なんて育つはずがない。もっと大切なことがあると思うんです。まず思いが上手く言葉にならないで、ぐずぐず堂々巡りをする子に、「それでいいんだよ」と言って承認してあげること。


なんだか自分が、「くだらない世間知」やぺらぺらのテンプレを体中に張り付けた裸の大将みたいに思えて、ゾッ。14歳から20年経ってしまったけれど、「輪郭の定かならぬ感情の断片」と向き合うのに、まだ遅くはないでしょうか。


「14歳の教室 どう読みどう生きるか」若松英輔

 

最後は、14歳の子供たちに向けた授業を本にした一冊。

批評家・詩人の若松英輔さんが、2019年6月から2020年2月まで、筑波大学付属中学校の三年生に向けて行った授業が元になっています。


今日は分からなかったことが、本当に分かってくるときがくる。学校では、いろんな解答を求められると思います。それに答えていくのも大切なことです。でも、簡単に手応えを得られない問いもまた、大事です。


若松さんは、池田晶子、小林秀雄、リルケなどを引用しながら、「おもう」「考える」「分かる」「読む」「書く」「対話」について、14歳を前に丁寧に語り掛けます。夢中になってページを繰る内、気づけばぶつぶつと口に出して読んでいました。なぜ、私は14歳のときにこの本を読んでいないのだろうか。


「考える体感」が身につくまで、「自分は分かっていない」という状態に身を置くことができるかどうかが大切なのです。


思考する機能が備わり、社会のノイズに汚染される直前のタイミング。14歳というのは本当に奇跡のような一瞬、マジックアワーなのでしょうか。彼らがぐるぐる思い悩む豊かな時間を、邪魔しない大人でありたいものですが…。

 

こんな感じでしょうか。
14歳だった頃何をしていたかはあまり覚えていませんが、何を読んでいたかは覚えています。三浦綾子や原田宗典、シャーロック・ホームズシリーズなんかを読んでいたな。懐かしいです。

 

若松英輔さんの本にも沢山引用されているのが、池田晶子さんの「14歳からの哲学 考えるための教科書」。私の池田さんとの出会いは18歳、高校の図書館で読んだ「帰ってきたソクラテス」でした。
じっくり考え事をしたいときは、いい香りの紅茶やハーブティよりも、コーヒーや日本茶を選ぶことが多いような。写真は、〔ミモレ編集室〕メンバーさんに教えてもらった近江赤ちゃん番茶。赤ちゃんマークがかわいい♪