【ポイント1】やってほしい行動を具体的に伝え、やって見せる


まず一つ目のポイントですが、これは、四つの中でも一番重要です。先述しましたが、乳幼児期の子どもは、まだ抽象的に物事を考えることができません。

 

「やめなさい!」「ダメ!」などと、やめてほしいことを禁止するだけでは、肝心な、やってほしい行動が何なのかが伝わりません。禁止だけだと子どもは、「じゃあ、どうすればいいの?」となってしまい、行動を変えることが難しくなります。そのため、具体的にすべきことを教えてもらったり、実際に目の前でやって見せてもらったりすることで、自分のやるべきことがわかり、行動に移しやすくなります。たとえば、次のようなかかわりです。

・「走っちゃダメ!」→「ここは危ないから歩こうね。お母さんと手をつないでね」

・(図書館で)「うるさい! いい子にしていて」→「みんな本を読んでいるから、これくらいの声でお話ししようね」

・「靴、脱ぎ散らかさないで」→「今から靴脱いでみるから見ていてくれる?」と言って、玄関で靴を脱ぎ、揃えて置く動作をゆっくりとやって見せる。

 

このように具体的にすべきことを伝えたり、実際にやって見せたりすることで、「注意する」というかかわりが、「伝える」というかかわりに変化していきます。