【ポイント4】繰り返しやって見せる

 

乳幼児期の子どもは、自分の欲求をコントロールして、善悪を判断して行動する力を育んでいる最中です。この時期は、まだ抽象的な思考はできませんが「吸収する力」はあります。その力のおかげで真似をすることがとても得意な時期なので、大人がモデルとなってやって見せることで、子どもはその姿をどんどん吸収していきます。

しかし、それはたった一回では、できるようになりません。だからこそ何度も繰り返し伝え、やって見せるかかわりが必要になるのです。これが最後のポイントです。大人にとっては少し忍耐のいるかかわりかもしれませんが、大人のそのかかわりが子どもの成長を助け、子どもが自分の足で歩んでいくことに繋がります。

 
【まとめ】
● やってほしいことを具体的に伝えたり、やって見せたりする。
● 子どもが聞く準備ができるように、ワンクッション挟んでから話しかける。
● 怒りのままに伝えず、冷静に落ち着いて伝えることを意識する。
● 何度でも同じことを繰り返しやって見せるかかわりが大切。

 

著者プロフィール
モンテッソーリ教師あきえさん:
幼稚園教諭、保育士、小学校教諭。モンテッソーリ教師(国際モンテッソーリ協会ディプロマ)。一児の母。幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に、「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままで良いのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。現在は「モンテッソーリ教師あきえ」として、Instagram、Voicy、Twitter、YouTubeなどでモンテッソーリ教育を子育てに落とし込んだ情報を配信中。Instagramでは、開始4カ月で1万フォロワーを達成し、現在のフォロワー数は7万人。Voicyではこれまでに130万回以上再生されている「モンテッソーリ子育てラジオ」を放送中。Instagram、Voicyでは、今までに延べ1500件以上の子育て相談に答えてきた。また、子育てセミナーを開催し、モンテッソーリ教育に沿って「子ども」について解説している。

 

『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』
著者:モンテッソーリ教師あきえ すばる舎 1540円(税込)

子どもの“自ら育つ力”を引き出すモンテッソーリ教育をベースに、乳幼児の子育てに関するさまざまな悩みや疑問を解決する方法を紹介する参考書です。園だけでなく、ご家庭での取り組み方や対応についても解説されているため、誰でもすぐに実践できるものばかり。大人同士のコミュニケーションに応用できる知識も満載です。


イラスト/菜ノ花子
構成/さくま健太
この記事は2021年5月5日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。

・第2回は5月9日公開予定です。