家族ときどき他人という時代の到来

 

代理出産や同性の両親が国によって認められたり認められなかったり。婚姻関係に関しても一夫多妻がOKな国があればNGな国もある。絶対的な姿を持ちえない「家族」というものを、山口さんはこのように表現しています。

 

「親として扱われるときも、そうじゃないときもあるだろう。そう、常に親としてのスイッチがオンになっているわけでも、オフになっているわけでもない。『親子』ですら点滅するのだ。チカチカする結婚。チカチカする親子。確かだと思っていた『家族』が瞬く」

「家族は法律によって定められるものであると同時に、社会によって認知されるもの」と考える山口さんは、固定的と思っていた家族像に流動性を見出していきます。

「あるときは“父”あるときは“他人”。あるときは“妻”あるときは“他人”。家族が点滅する。そこに新たに広がる『家族像』は、アメーバのようにかたちがなく、かつ、かたちを変え続ける。そう、家族は、“静態”から“動態”へと、家族であるという“ステイタス”から家族になり続けるという“プロセス”へと変貌を遂げつつあるのだ」