ところが結婚後3カ月ほどして、夫のストレスの矛先は洋子さんに向かってきたのです。最初は、物に当たっていたのですが、そのうち、突然水をかけられる、頭をはたかれる、腕をつねられると言った暴力を受けるようになりました。病院勤務の彼は巧妙なところがあり、暴力を振るう力を加減し、傷が残らないようにしていたと言います。

そんな夫にほとほと嫌気がさし、洋子さんは半年後に実家に身を寄せ、弁護士を立てて離婚を申し入れました。夫は、洋子さんに別の男ができたと疑い、不倫を主張していましたが、当然証拠はなく、1年後に離婚が成立しました。

 

これはけっして「他人事」ではなく、結婚相手によっては、身近に起き兼ねないことなのです。DV男の主な特徴は次の7つに絞ることができます。

【DV男の特徴】
① 感情のコントロールが効かない
② ストーカー気質である(束縛する・嫉妬深い)
③ 外面が極めてよくて、周囲からの評判は「好青年」
④ 幼少期DVを受けていた(DVの連鎖)
⑤ クレーマー気質である
⑥ 立場が弱い者に強く出て、強い者には何も言えない
⑦ 自己評価が低い人の心につけ込む

中でも、モラハラ・DVに共通する「弱い者には強いが、強い者には弱い」「外面が極めていい」という2つの特徴には、特に注意してみてください。

 

DV加害者と真剣に縁を切るには、情にほだされてはいけません。DVが改善することは残念ながらほとんどありません。少なくとも私は聞いたことがありません。自分を大切にして、強い意志でDV加害者と縁を切ってください。

モラハラ・DV男を結婚相手に選ばないだけでも、離婚のリスクは大きく減少します。なぜなら、(耳にタコができるくらいにしつこく言いますが)モラハラやDVは、結婚後の改善が期待できないからです。

彼らを結婚相手として選択しないことは「幸せな結婚」の大前提なのです。

次回は、3000人以上の離婚相談を受けた弁護士が伝授!失敗しないパートナー選びの法則について詳しくお伝えします。


後藤千絵(ごとう・ちえ)さん:京都府出身。大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に入社するも、5年で退職。大手予備校での講師職を経て、30歳を過ぎてから法律の道に進むことを決意。派遣社員やアルバイトなどさまざまな職業に就きながら勉強を続け、2008年に弁護士になる。荒木法律事務所を経て、17年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所設立。離婚・DV・慰謝料・財産分与・親権・養育費・面会交流・相続問題など、家族の事案を最も得意とする。中でも離婚案件は女性を中心に、年間約300件、のべ3000人以上の相談に乗っている。

 

『誰も教えてくれなかった「離婚」しないための「結婚」の基本 女性弁護士が3000人の離婚相談で見つけた「パートナー選び」の絶対法則』
著者:後藤千絵 KADOKAWA 1430円(税込)

3000件を超える離婚問題に向き合ってきた著者。女性たちの切実な訴えから浮き彫りになったのは、絶対に「結婚してはいけない」パートナーの特徴だった! モラハラ、DV、浮気性、金銭感覚の不一致、マザコンなど、その特徴を具体的な事例に基づいて徹底解説。結婚前の方はもちろん、結婚生活がうまくいかず悩んでいる方にも、新たな気づきを与えてくれるはずです。


構成/金澤英恵

第2回「失敗しないパートナー選びの法則を、3000人以上の離婚相談を受けた弁護士が伝授!」は5月23日公開予定です。