デビューの地・朝ドラに満を持して帰ってきた清原果耶


ちなみに、5月17日スタートの朝ドラ『おかえりモネ』の主演女優・清原果耶は両方のパターンを踏襲していますので、朝ドラファンにしてみればなるべくしてなった感が強いと思います。筆者のヒロイン候補リストにもしっかり入っていました。しかも彼女の場合、先に挙げた4人と比べても朝ドラとの相性はピカイチでしょう。なんといっても、2015年度後期の朝ドラ『あさが来た』で女優デビューを飾ったのですから。

5月17日スタートの連続テレビ小説「おかえりモネ」でヒロイン・永浦百音を演じる清原果那。写真提供:NHK

同作では番頭の妻になる女中を、わずか13歳ながらに演じ切った彼女。表情にあどけなさが残るものの、未完の大器を確信させる堂々としたお芝居でした。それから4年後。女優、モデルとして実績を重ねた清原果耶は、2019年度前期の『なつぞら』で実年齢17歳にして30代子持ちの小料理屋女将を演じ、ごくごく短い出演シーンながらネット上で大きな反響を呼びました。中には「次の朝ドラヒロインは彼女しかいない!」といった類の声もあったと記憶しています。それから約1年後、大方の予想通り彼女は朝ドラヒロインに抜擢されました。

 

過去2本の朝ドラでは実年齢よりかなり上の役を演じていましたが、今回は気象予報士を目指す等身大の女の子を演じるということで、筆者の期待はとても膨らんでいます。おじいちゃん、おばあちゃんに好かれる女の子。田舎の両親に胸を張って紹介できる女の子……願わくば、そういう元気で純真な王道のヒロイン像を令和のお茶の間に見せてほしいと思います。古臭いと敬遠されるかもしれないし、無難だと一笑されるかもしれない。それでも朝はやっぱり清々しいものを見たいのです。

個人的には『おかえりモネ』というタイトルにもグッときます。1980年代のアイドルソングを彷彿とさせ、思春期の甘酸っぱい記憶がよみがえるからです。『おしん』『ちゅらさん』『あまちゃん』など、朝ドラにはタイトルの最後に「ん」がつくと人気作になるというジンクスがありますが、そこになびくことなく我が道を行く感じも好きです。

清原果耶×タイトルの相乗効果で、終盤で毎回のように泣かされた前期の『おちょやん』から一転、さわやかな朝を迎えられそうで楽しみです。
 


構成/山崎 恵


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