まずは生活の心配の前に、旦那さんへ心の寄り添いを


たぬさん、ご相談ありがとうございます。お子さんがまだ小さく、そしてご自身の職場復帰も控えている中、ご苦労の多い日々を過ごされているかと思います。

旦那さんが鬱状態になってしまったお気持ちは想像に難くありません。これまで自分の裁量で任されていたことが会社の方針でできなくなり、自分の成功法則が使えなくなったり、自分の居場所が変わってしまったりというのは、とても不安になることでしょう。特にやりがいを持って仕事をしてきた人ほど、「大企業でお給料がいいんだから我慢すればいいじゃない」と言われても、頑張ってきたもの全て否定されているような気がして、とても悔しい気持ちがあると思うのです。

 

おそらく「会社を辞めたい」とたぬさんに打ち明ける前、旦那さんも相当悩み考えたはずです。「子どもがまだ小さいのに自分が仕事を辞めてもよいのだろうか」と。それでも耐えられないほど、つらい状況だったのだろうと思います。

これから成長するお子さんのことも生活のこともあり、心配は尽きなかったとは思いますが、旦那さんがなぜここまで追い詰められ、離婚まで考えるに至ったのかを考えるために、たぬさんのとった初期の行動を振り返らせてくださいね。「家族3人平和に暮らしたい」という願いの裏には、「旦那さんには家庭と生活のお金のために我慢して働いてほしい」という気持ちが見える気がします。ご自身でも「会社員にはよくある考えだとしか思っていなかった」とおっしゃっていますが、最初に相談を受けたときに、彼の話をゆっくり聞いて、気持ちを紐解いてあげようとされましたか?

旦那さんが探してきた求人はお給料が安くてダメ、子どもにはこれだけお金がかかる、休職してもいいけど会社の居場所がなくなるかも……など、選択肢を提示してあげているようでいて、結局そこには「今の会社に勤め続ける」という選択肢しか与えられていなかったのではないでしょうか。たぬさんは家庭を守りたい気持ちが強く、それは当然なことなのですが、旦那さんにとっては、まずは逃げ場が必要だったと思います。職場でも追い詰められ、家でも追い詰められ……と感じる状況は苦しかったのでは……。どこにも理解者がいないと思い込み、別居や離婚を考えるまでになってしまったように想像します。

なので、本当ならば、最初に相談を受けたときにもう少し寄り添えていれば……というのが正直な気持ちです。「あなたがあなたらしく生きていくために、私はこう支えていく。本当は子供のために大企業を辞めてほしくはないけれど、私もがんばって復帰するから子どもの面倒を見てもらえるかな?」とか、「あなたが健やかに生きていてくれることだけでいいから。じゃああなたはどうしたい?」など、旦那さんの話をしっかり聞けていたら、もう少し違っていたかもしれません。

今、ここで過去の「たられば」をお話して、誰かを責めているわけではありませんが、なぜ旦那さんが離婚や別居という考えに至ることになったのかを、今ここで思い巡らせることがどうしても必要だと思いました。

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