重症化しやすい人とはどんな人か


一青 重症化しやすい人、回復しにくい人という傾向はあるのですか?

山田 あります。まさにワクチンの優先接種の対象になっている人がそうです。まずは、高齢の方。若い方でも持病を持っている方。たとえば、喘息のある方ですとか、肺の病気のある方、高血圧の方などですね。こういう方たちは重症化するリスクが高いことがよくわかっています。実際にこれまで医療現場で見てきて、人工呼吸器につながれてしまう状況になる方の多くは、そうした傾向がありました。

一方で、インドや南米では、比較的若く、持病をもっていない30代、40代の方々が重症化されて命を落とされていると報告されています。まだ詳しくはわかっていませんが、これからそうしたケースが増えていくかもしれないという懸念はあります。

 


ワクチンへの不安より、予約がとれるかが不安


一青 私は何度も山田先生や稲葉先生と話すことで、ワクチンにポジティブなイメージを持つようになりました。それでも私の周りには、「やっぱりワクチンは打ちたくない」「怖い」と依然としてネガティブな印象をワクチンに持っている人もいます。漠然とした不安を多くの人がもっているように思います。どうしてこんなにみんな不安を感じるのでしょうか?

山田 これはHPVワクチン(子宮頚がんワクチン)で先行した経験をお持ちの、稲葉先生から話してもらいましょう。ワクチンを避ける人の心理とはどんなものでしょうか?

稲葉 ありがとうございます。そういう方には、様々な背景があると思います。そもそも、予防接種全般に対して不安を抱いているケースもあれば、新しいワクチンだから不安だという方もいます。

予防接種全般に不安を感じている方に、不安を解消したいという強い気持ちがあれば、説明したいと思います。ただ、強い信念をもって、予防接種をしたくないという人には、無理に説得する必要はないのかもしれないとも感じています。本当に強い信念となっていると、説得できるようなものでもないですから。

新しいワクチンなので不安だという人には、説明をすることで理解されることがあります。近しい人が接種したから安心するという人もいます。医学情報のまた聞きでは納得できないという人もいます。
一青窈さんが山田先生から直接話を聞いて安心できたように、ドクターから直接話を聞いて安心できるという人は多いと思いますね。

一青 私はこれだけ話をうかがってきて、もう質問もありません。当初は、どちらかといえば、ワクチンを打ちたくないと思っていましたが、今は打ちたいと思っています。こうなると、打てるようになった段階で、ちゃんと予約をとれるかといったことの方が心配ですね(笑)。

 

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