問題3 勉強をまったくしないまま始めてしまった

 

中村:何もわからないまま不動産投資を始めたことで、失敗するケースは多いです。そのため、私は「1年かけて不動産投資の本を100冊読んでください」とお伝えしたいですね。

100冊読んで、基礎知識をしっかり身につけてから不動産投資を始めれば、大きな失敗は避けられるはずですから、本代の約10万円は決して高くはないと思います。

 

西山:本を100冊。まずそこで、不動産投資への「本気度」が問われそう!

中村:はい、100冊も読めば、自分が何をやりたいのかが見えてくると思います。
利益率の高い物件を買いたいのか、自分好みの物件を選びたいいのか、楽をしながら投資したいのか……。

「不動産投資」と一言でいっても、新築マンションを一室だけ買う方法もあれば、中古で買う方法もあります。
中古でも、築10年程度から選ぶのか、築40年のものをターゲットにするのか。他にも、一棟もののビルや一軒家、10部屋ある木造アパートなのか、自分はどんな物件を扱って、賃貸業をするのが性格にあっているのかが、見えてくると思うんです。

木造住宅なら、自分で直しながら管理する場合もあるでしょうし、楽して儲けたいと思ったら、全部専門会社にお任せすることになるでしょう。
でも、全部お任せで本当にいいのか。何千万円という借金をするのに、何を任せているのかもわからない状態では、万一問題が起こったときに、その借金が返せればいいですが、返せずに自己破産する人もいる、という大きなリスクを抱えています。

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」なんていわれますが、私はハイリスクだと考えておくことをおすすめしたいです。
投資信託の一種である、複数の不動産に投資する金融商品REIT(不動産投資信託)なら、ミドルリスク・ミドルリターンかもしれませんが、現物の不動産投資は、数千万円ものお金が動くわけですから。

西山:現物の不動産投資の場合、「一つ」の物件に投資することで、土地の場所や建物、入居者などが限定されるため、実は大きなリスクを抱えていますものね。投資の基本は「リスクの分散」です。

自分が住む家だったら、何件も見て、昼も夜も見て慎重になりそうなところ、不動産投資ですと、あまり見ることなく決めてしまうケースもありそうです。本来は、誰かが住んでくれたり、物件を使ってくれたりしてこそ成り立つ不動産投資ですが、その視点が抜け落ちてしまいそう……。

中村:まさに、その視点は大切ですね。「自分が住む住宅」と同じように、不動産投資の物件も、長い付き合いになると考えて、誰かが本当にその物件に住み続けてくれるか、という視点は非常に大切です。
 

取材・文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)


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